赤川次郎さんの『吸血鬼は良き隣人』を読みました。
あらすじ
クリスマスを間近に控えた夜、クリスマス・ケーキを買いに出た佐山由子がサンタクロースに殺害された。
容疑者として警察が目をつけたのは、神代エリカが住むマンションの並びの部屋で暮らす大学生・川添幸夫だった。
幸夫はサンタクロースに扮するバイトをしていて、自宅からサンタクロースの恰好をして出勤していた。
警察が幸夫の部屋に血のついたサンタクロースの衣装があると聞きつけ、幸夫を逮捕したその夜、二人目の被害者が出てしまう。
感想
「吸血鬼エリカシリーズ」の5作目です。
「吸血鬼エリカ」と言っても、エリカ自身は吸血鬼と人間のハーフ。
トランシルバニアから亡命してきた父のフォン・クロロックと、日本人の女性の間に生まれたという設定です。
この『吸血鬼は良き隣人』では、エリカの1歳年下の継母と、その間に生まれた弟がいますが、そのあたりのエピソードは1作目か2作目くらいに出ていたと思います。
嗅覚、聴覚、運動神経など、人間離れした能力を活かして事件に挑むというのが、この作品の魅力になっています。
ただし、エリカはハーフなので、クロロックよりも能力が落ちるというところが、ひとつポイントになっていたり…
今回の作品でも、その人間離れした能力を最大限に活かして犯人を追い詰めるのですが、エリカとクロロック以外のところは、”普通”であってほしいんですよね。
死体が消えたわけとか、犯人がどうやって被害者を連れ出したのかといったところは、ちょっと人間視点で考えても無理があって…
そのあたりのメリハリがこの作品の魅力だと思うので、少し残念に感じました。
コメント