赤川次郎さんの『死はやさしく微笑む』を読みました。
売れない舞台女優の戸張美里は、とあるアルバイトで看護師として病院に潜入することに。
その病院では、先日お年寄りの患者が飛び降り自殺をしていた。
患者が入院していたのは、お年寄りが多く入院するフロアだったため、廊下をくまなくカメラで見張っていたが、その患者が部屋を出る様子はモニターに映っていなかった。
病院内では、医師と看護師の不倫が噂になっていた。
さらに、その医師の義母が特別室に入院しており、医師の妻も定期的に見舞いに来ていた。
また、警備員がなぜか幅をきかせているという、奇妙な人間関係が構築されていた。
売れない舞台女優の戸張美里が登場する「真夜中のオーディションシリーズ」の2冊目です。
深夜12時にマンションの一室で、一風変わったアルバイトを依頼されるのですが、なぜかいつも殺人事件絡み。
友人の今井正人とともに事態を丸く収めるのですが、俳優ならではの特技がさりげなく用いられています。
美里が与えられる仕事には、いつも「演技」の能力が必要とされるのですが、こんかいはその「演技」を事件解決にも役立てています。
このシリーズの特徴として、刑事のレギュラーキャラクターがいないのですが、刑事事件として事件を解決するのではないところが、このシリーズの魅力のひとつのような気がします。
好きだなぁと思うシリーズなのですが、どうやらこの2冊止まり。
演劇に関心がある赤川次郎さんだから、続編を期待してしまいます。
過去の「赤川次郎」記事
過去の「真夜中のオーディション」記事
コメント