赤川次郎『長い夜』

赤川次郎さんの『長い夜』を読みました。

田舎町の古い家に引っ越した田所家の庭の片隅には、井戸が残っていた。
5歳のルミが井戸に載せられた木の蓋を破ったとき、異変ははじまった。

一方、事業に失敗し、5億円以上の負債を背負った白浜省一は、妻と中学3年生の娘・仁美と一家心中の道を選んだ。
しかし、最後の思い出作りをしていたところ、小西という実業家の目にとまった。
借金を肩代わりする代わりに、異変が起きている町に住み込み、何が起きているのか突き止めて欲しいのだという。

私が苦手なホラーに分類される作品です。

仁美たちが越した先では、現代の科学では説明がつかないことが起きるのですが、説明ができない出来事故、きちんと説明されないと、消化不良で終わってしまうんだなってことを感じました。
だいたい何が起きていて、何が発端だったのかということはわかるのですが、結構早い段階でそれがわかったまま、大きな展開がないまま最後まで来ちゃったと言えば良いでしょうか。

1番の不満点は、解決策が示されていないこと。
なぜそういう事態になったのか? 人間は何をすれば良いのか?といったことがなかった気がするんですよね。
人間が持つ、こういった闇の部分がこういう形で現れて、それはこうすることで抑え込むことができるって部分が読みたかったんです。
赤川次郎さんなら、そういったメッセージを上手く作品に込めることができると思うのですが、今回はちょっと失敗したのかなぁと思いました。

仁美たちを追いかけていった広沢の、この作品での役割もよくわからなかったし、私の読み方が悪かったのかな?って感じです。
 

 

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