赤川次郎『納骨堂の悪魔』

赤川次郎さんの『納骨堂の悪魔』を読みました。

前作『やさしすぎる悪魔』で、矢吹真由子を危険な目に遭わせてしまったお詫びということで、花園学園高校の名物三人組、矢吹由利子と弘野香子、桑田旭子プラス由利子の妹真由子の4人は、試験休みと週末を利用して、ドイツへの「短期語学研修」に行くことに。
飛行機の中で出会った会社社長・明石幸男に昼食をおごってもらうことになった4人だったが、食事の途中、席を外した明石が行方不明になってしまう。
明石の部下・三好が乗った車が爆発するなど、日本を離れても事件にまとわりつかれるはめに。
そして、明石の知り合いだという女性マリア・バートリの城へ招待される。

「悪魔シリーズ」7作目の長編作品です(1作目の短編は『青春共和国』に収められている『鏡の中の悪魔』)。
ついに4人は日本を飛びだし、海外へ活動の場を広げることになります。
舞台は、赤川次郎さんが得意にしているドイツ語圏の国、ドイツです。
海外が舞台ということで、桁外れのお金持ちの令嬢・香子のダイナミックな活躍は影をひそめますが、代わりに城を所有するマリア・バートリが登場することに。
いくら古城でも…と言いたくなるようなダイナミックな仕掛けが隠されていますが、遠い異国の話なら、現実にあっても不思議じゃないかも、と思わせるのが、赤川次郎さんのスゴさです。

舞台を海外に移したのはよいのですが、作品としてはちょっとこぢんまりとした印象を受けてしまいました。
この4人ならではの、はっちゃけた活躍があまり見られなかったのが、その一因でしょうか…

ドイツでの事件だけで日本に帰るのはもったいないなと思うところですが、次作『氷河の中の悪魔』はこの旅の続き、スイスでの事件ということになっています。

 

 

 

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