赤川次郎『まっしろな窓』

赤川次郎さんの『まっしろな窓』を読みました。

高校生の疋田香織の母・瑛子は、団地共済会の会長を務めていた。
共済会には、団地の住民だけでなく、周辺住民も加入していたのだが、集会所で開くバザーのテーブル配置を巡って、団地の住民と外の住民が揉めはじめた。
ついには、団地に住む浜田が、団地の外に住む吉野を殴り倒してしまい、吉野は死亡した。
団地の住民が、吉野から殴りかかってきたと証言するのに対し、団地の外の住民は、浜田がいきなり殴りかかってきたと証言する。
団地の内と外の住民たちの対立は、香織が通う学校での人間関係にも影響してしまう。

団地の外に住む大地主・菅沼の息子・高志と仲の良い香織は、難しい立場に置かれてしまう。
さらに、香織が浜田から殴りかかったことを警察で証言したことが決定打となり、香織の家族は、団地の中で浮いた存在になってしまう。

個人的な好みで言うと、あまり好きな種類の話ではありません。
大人の世界の問題を、なんの責任もない子供たちが押しつけられてしまう。
しかも、正義を貫いた側が、非難を浴びてしまうという展開。
本を読んでいても、やり場のない怒りが、自分の中に溜まっていってしまいます。

こういった作品も必要だと思うのですが、読んでいてもストレスが溜まることなく、最後にちょっと考えさせられるくらいの話が好きですね。
 

 

 

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