実家にあった大量の赤川次郎本を読み返し中です。
今回は『幽霊劇場』を読みました。
「殺してやるからね!」
レストランの中に、甲高い女性の声が響き渡った。
偶然、そのレストランに居合わせていた、警視庁捜査一課の宇野警部と、恋人の永井夕子が声の主を確認すると、女優の吉川真帆がいた。
その日のTVドラマの収録で上手く言えなかった「殺してやるからね!」という台詞の言い方を、思いついたのだと言う。
真帆は今度出演する舞台の稽古に入っていたが、その舞台に出演予定の女優の卵・田村里沙のバイト先で、バイト仲間が刺殺されてしまう。
毎度おなじみ、40歳の宇野警部と、女子大生の永井夕子のコンビによる「幽霊シリーズ」の第9段です。
宇野警部の年齢に近づいて、「40歳はそんなに年寄りじゃないぞ!」と思う一方、女子大生の彼女というと、やっぱり想像できなかったりします。
そんな2人が今回挑むのは、女優・吉川真帆が絡む事件。
映画やドラマの収録、演劇を舞台にして数々の名作を世に送り出してきた赤川次郎さんだけに、期待が高まるのですが、撮影現場や演劇そのものが舞台になっているわけではないので、ちょっと消化不良でしょうか。
でも、赤川次郎さんならではの作品に仕上がっていると思います。
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