赤川次郎さんの『ひまつぶしの殺人』を読みました。
夫は泥棒、妻は刑事という今野夫妻のシリーズの設定も凄いですが、このシリーズの設定はその上を行きます。
母・香代子は泥棒。
長男・克巳は殺し屋。
次男・圭介は弁護士。
長女・美香は詐欺師。
三男・正実は刑事。
なんです。
しかも、皆の職業を知っているのは、次男の圭介だけ。
久しぶりに読みたくなって、図書館で借りてきてしまいました。
これだけキャラクターのキャラクターを引き出しながら、作品を纏め上げるのはそう簡単なことじゃないと思うのですが、それを難なくやってのけているように見せてしまう赤川次郎さんはさすがです。
結局、圭介がすべてを丸く収めようと奮闘するのですが、くたびれ損のくたびれもうけになってしまいます。
それでも、最後には大きなものを得たので、奮闘した甲斐があったのかな?
とんでもない取り合わせの家族ですが、それはそれでバランスがとれているという、なんとも奇妙なお話しに仕上がっています。
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