赤川次郎さんの『静かな町の夕暮に』を読みました。
郊外の盆地にある、小さな町。
そこに、映画のロケ隊がやって来たことで、静かな町が騒ぎ出す。
地元の高校の演劇部の部長・指田法子もその映画にエキストラとして出演するが、なんと、その映画に出演するスター・上原洋介と、母・朱子が結婚することになった!
しかも、町では法子の後輩・森下克枝が、学校の保健室で殺害されてしまう。
映画のロケ現場に始まり、主人公の少女は演劇部の部長。
赤川次郎さんお得意の、映画の撮影現場を舞台にした話になるのかなぁと思いきや、どうも様子が違います。
普段は静かな町に、映画のロケ隊が来たことで、町の人々の生活に狂いが生じてくる、といったわけでもありません。
もともと狂いが生じていたものが、映画のロケ隊が来たことによって、一気に崩壊していく感じでしょうか。
法子のモノローグで物語を書き進めることによって、いつの間にかミスリードを発生させ、最後にそれを刈り取る。
さすがは赤川次郎さんといった感じの作品でした。
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