【読書】東川篤哉『新 謎解きはディナーのあとで』

東川篤哉 謎解きはディナーのあとでシリーズ ├ 東川篤哉

東川篤哉さんの『新 謎解きはディナーのあとで』を読みました。

広告
【広告】500万冊以上の電子書籍が読み放題『Kindle Unlimited』への登録はこちらから
広告

あらすじ

国立警察署での勤務を終え、お迎えのリムジンに乗って帰宅の途についた宝生令子のもとに、事件発生の連絡が入った。
電波の状態が悪く、通話相手が誰かわからなかったものの、令子は事件現場である国枝邸へ向かう。
死んでいたのは35歳にして父親が創業した会社の取締役につく国枝雅文。
天上にかけたロープで首を吊っている状態で発見されていた。

令子が後輩刑事の若宮愛里と事件現場を見て回っていると、外からエンジンの爆音が…
警視庁へ転属になったはずの、風祭警部が国立署に戻ってきたのであった…

感想

『風祭警部の帰還』という作品からはじまる本書。
でも、『謎解きはディナーのあとで1~3』だけを読んだ方は、「風祭警部はずっと国立署にいたじゃない」と思われるのではないでしょうか。
私もそんな1人なのですが、『謎解きはディナーのあとで3』のあとに出た「ベスト版」には書き下ろし作品が1作収められていて、その中で風祭警部は本庁に転属になっていたのです。
早々と国立署に戻ってきた理由は、説明するまでもないでしょう。

執事の影山が、令子から事件のあらましを聞いた直後に「お嬢様の目は節穴でございますか?」などと毒舌を吐き、怒り狂う令子に対して名推理を聞かせるというのが、このシリーズのお約束。
でも、シリーズが進むにつれ、影山の毒舌にメリハリがなくなってきた(普段でも毒を吐いているので、肝心のひと言が際立たない)印象を受けていたのですが、この作品では比較的原点に近いところに戻ってきているでしょうか。

ただ、トリックを再現してみせる場面はちょっといただけなかったかな。
昼間ならともかく、あのトリックを夜に見せると・・・。ネタバレになるのでこれくらいにしておきますが、ちょっと無理があるように感じました。

今回から、後輩の若宮愛里刑事がレギュラーに加わったようですが、これまた風祭警部とは違う意味でハチャメチャな刑事。
令子が大財閥令嬢という設定も含め、こんな刑事たちで大丈夫かな?と心配になってしまいます。

しかしながら、軽快感やメリハリ、トリックの斬新さなど、このシリーズの良い部分が継承された作品になっていると思いました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました