実家にあった大量の赤川次郎本を読み返し中です。
今回は『過去から来た女』を読みました。
あらすじ
「田(でん)」という小さな村に生まれ育った常石文江は、19歳の時に人知れず姿を消した。
文江は幼馴染みの坂東和也に殺害されたと噂が流れ、和也は自殺。一家は離散してしまう。
7年後、東京でデザイナーとして独り立ちした文江は、故郷へ足を踏み入れるが…
感想
アガサ・クリスティーの『五匹の子豚』のように、すでに解決されたと思われていた事件を掘り返す「回想の殺人」と呼ばれるタイプの作品です。
すでに解決されたと思われている事件を掘り返すのは、(特に田舎においては)大きな代償を払うことに繋がりかねません。
この作品でも、文江は心身ともに傷ついてしまいます。
最後は故郷まで失ってしまうことになりますが、文江ならきっとまたこの田村に帰ってきてくれるのではないかと、失望の中にも明るい未来が見えた気がしました。
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