赤川次郎『三世代探偵団 生命の旗がはためくとき』

赤川次郎さんの『三世代探偵団 生命の旗がはためくとき』を読みました。

2017年に第1作が発売された「三世代探偵団シリーズ」ですが、あれよあれよという間に3作目が発売されていました。
すっかり取り残されていた私も、これでようやく追いつくことができました。

天本有里の同級生須永令奈は、学校に向かう途中の下り坂で、危うく後ろから坂を下ってきた車に轢かれるところだった。
それを助けたのが、このシリーズでお馴染みとなった村上刑事。
車の運転席に座っていた男性は、胸を刺されて死亡していた。

令奈の姉美樹は、大崎裕次という男性と駆け落ちしていたが、裕次は組織の大ボスの息子だった。
2つの対立する組織が、一触即発の事態になっていて…

この物語に隠された、赤川次郎さんからのメッセージを私が理解できていないだけかも知れませんが、「三世代探偵団シリーズ」の中では、1番面白くない作品でした。
「面白くない」というと、言いすぎかも知れませんが、戸惑ったことは確かです。

普段は会社経営をしておきながら、裏では闇の仕事に手を染めている、組織同士の対立が描かれています。
それを近代的な組織だと誇っていながら、いざ抗争となると、拳銃やライフルが次から次へと運び出されてきますし、ドンパチやっているところは、普通の暴力団と変わりません。

しかも、その内容も、正直ちゃちい。
宗田理さんの「ぼくらシリーズ」を思い出してしまいました。
あれはあれで、中高生が読む分にはわかりやすくて良かったのですが、正直この作品には物足りなさを感じました。

赤川次郎さんの暴力団同士の抗争ものとしては、やはり『セーラー服と機関銃』の目高組が1番ではないでしょうか。

 

 

 

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