内田康夫さんの『萩殺人事件』を読みました。
あらすじ
出版社に勤める松田将明は、編集長から勧められた見合いをするため、山口県を訪れた。しかし、山口に着いて早々に、萩市市議会議員の生島一憲が殺害された事件の参考人として警察から事情聴取されてしまう。
感想
この作品は、同時に発売された『汚れちまった道』とともに「ヤマグチ・クロス」と銘打って刊行されました。山口県を舞台に、次々と起こる事件が相互に干渉しながら展開し、それぞれが大団円を迎えるという試みがなされています。
この『萩殺人事件』は浅見の学友・松田将明の視点でストーリーが展開され、一方の『汚れちまった道』は、浅見光彦の視点で展開されます。
どちらを先に読んでも良いようになっていますが、私は『汚れちまった道』、『萩殺人事件』の順で読んだ方がより楽しめるのではないかと感じました。
浅見から松田へと視点を変えただけで、同じ事件を追っているはずなのに、ぐいぐいと引きつけられるのはどうしてなのでしょうか。同じストーリーを二回も読まされるのは苦痛ではないかと思うのですが、二回目の方が引きつけられるのです。まったく不思議な小説です。
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