内田康夫さんの『風のなかの櫻香』を読みました。
産まれてすぐに捨て子になった櫻香は、尼寺に引き取られて成長した。しかし、中学生になった櫻香の周囲には不穏な男女の影が。尼寺から依頼を受けた浅見は、櫻香の警護にあたることになるが、そんな矢先、櫻香につきまとっていた男性が名張市の山中で殺害されてしまう。
櫻香の出生の秘密を辿っていた浅見だが、ついに櫻香が誘拐されてしまう。
浅見光彦シリーズで唯一、ヒロインの名前がタイトルについた作品となっています。
奈良の高名な尼寺が舞台ということで、歴史や文化遺産にまつわるミステリーになるのかと思いきや、物語の中心は殺人と櫻香の誘拐事件となっています。
殺人や誘拐というと、俗物的な犯罪を思い浮かべますが、その裏には複雑な人間関係と犯人の葛藤が隠されています。
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