内田康夫さんの『化生の海』を読みました。
北海道余市でウイスキーの蒸留所でガイドをしている三井所園子の父・剛史は、五年前金策のために松前へ行くと家を出たあと、石川県加賀市の海で殺害されているのが見つかった。
浅見はわずかに残された剛史が生きた痕跡を追って、北海道、北陸、北九州を駆け巡るが、それはかつて北前船が辿った道でもあった。
浅見は捨て子として育てられた三井所剛史の「ルーツ」を追いかけ、北海道から北陸、北九州を巡ります。
手がかりは「卯」の字の刻印がある人形と、真っ直ぐな長い石段だけ。
このわずかな手がかりをもとに浅見の推理が冴えわたります。
物語は基本的に浅見の視点で展開されていきますが、第七章は北陸中日新聞の山科の視点で描かれています。しかし、その直後、山科の身に不幸が。
そして、第十章では再び浅見のもとから離れ、ヒロインの三井所園子の視点で始まります。山科の時同様、不吉な予感が頭をよぎりますが、園子の運命はいかに…
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