内田康夫さんの『氷雪の殺人』を読みました。
浅見は北海道沖縄開発庁長官の秋元康博と利尻島で密かに面会する。秋元は二カ月前に利尻富士の登山道で東京都の会社員・富沢春之が自殺した件について、事件性がないか調べなおして欲しいと浅見に要望した。
浅見が富沢の足跡を辿ったところ、カルチャーセンターに「プロメテウスの火矢は氷雪を溶かさない」というメモを残していたことがわかった。また、恋人の中田絵奈の元には『氷雪の門』という歌が入ったCDが送られていた。
防衛産業や自衛隊まで巻き込んだスケールの大きな作品になっています。
それに加えて北朝鮮の「テポドン」発射…
この作品の執筆中に実際に起きた事件を取り入れているのですが、これが作品のリアリティを増しています。
そして、これを機に『氷雪の殺人』は、旅情ミステリーから、防衛産業にはびこる不正をターゲットにした社会派ミステリーへと変貌を遂げているのです。
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