内田康夫さんの『崇徳伝説殺人事件』を読みました。
天皇家にまつわる怨霊伝説を求めて京都を訪れた浅見は、見知らぬ女性からフィルムを託される。どうやら待ち合わせの相手を間違えたらしい。東京に帰った浅見がフィルムを現像してみると、そこには額を割られた老人の遺体が写っていた。その直後、浅見にフィルムを託した女性が待ちあわせていたと思われるフリーライターの新坂達之が殺害されてしまう。
浅見は写真が老人介護福祉施設の中で撮られたと推測し、フィルムを託された相手を特定するが、すでに行方不明になってしまっていた。
タイトルにある崇徳上皇の伝説にがうまく織り交ぜられていました。
特に、権力争いに敗れた崇徳上皇が讃岐に流され、朝廷への怨みが積もり積もった怨念が作品をよりミステリアスなものに仕立て上げています。
老人介護福祉施設を経営する栗石家の複雑な親子関係を崇徳上皇のそれと対比させた個所などはため息が出るほどでした。
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