内田康夫『幸福の手紙』

内田康夫さんの『幸福の手紙』を読みました。

旅行案内書の編集者・中村典子のもとに「不幸の手紙」が舞い込む。その直後、取材先で一緒になった女性週刊誌の記者・長谷が殺害されてしまう。典子が最後に会った時、長谷は北海道で見た「半分の馬」のところで会った人物のことを気にしていたという。
 「半分の馬」とは何なのか? 長谷が「半分の馬」を見たのはどうやら北海道でのことだと目星を付けた浅見は、なんとか交通費を捻出して北海道へと飛ぶ。

「幸福の手紙」とは、当時はやった『不幸の手紙』からきたものです。

執筆当時に実際に発生し、迷宮入りとなった「井の頭公園バラバラ事件」に浅見が挑んでいる。
実際に発生した事件に浅見が挑むのは毒入り菓子事件を取り上げた『白鳥殺人事件』以来ですが、今回はどれぐらい真相に迫っていたのか興味があります。

普段は「兄は兄、僕は僕ですから」と、刑事局長の弟であるが為の特別なはからいを断ったり、政財界の大物であっても捜査のメスをぐいぐいと押し込んでいったりする浅見ですが、この作品では著名人への疑惑の目を自ら背けようとする場面があります。浅見らしくない行動のような気がするのですが、その理由やいかに。

 

 

 

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