内田康夫さんの『透明な遺書』を読みました。
『旅と歴史』編集長藤田の旧友清野林太郎(せいのりんたろう)の遺体が福島県喜多方市の山中で発見された。車内に排ガスを引き込んでの自殺だと警察は見るが、娘の翠は絶対に自殺ではないと言い張る。
警察が自殺だと判断した根拠の一つに、車内から遺書が見つかったことが挙げられるが、その遺書は中身の無い、ただ「遺書」と書かれ、封がされただけの封筒だった。
自殺を偽装した殺人事件を捜査していく中で、浅見は政権をも揺らぎかねない疑獄事件に巻き込まれます。
内田康夫さん自身、政財界を舞台とした事件は苦手だと言っておられるが、実際に、疑獄事件に巻き込まれて以降、テンポが悪くなっているように感じます。
苦手な分野にあえてチャレンジしたのか、書かざるにはいられないくらい社会に警鐘を鳴らしたいと感じられたのか、頭を悩ませてしまいました。
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