内田康夫さんの『熊野古道殺人事件』を読みました。
あらすじ
熊野那智から小舟に乗って海に漕ぎ出せば補陀落へ行ける。かつて行われていた補陀落渡海を学生たちが再現しようとしているが、何か良くないことが起こりそうだと、大学教授の松岡が旧友の内田康夫のところに相談に来た。
かくして内田と和歌山を目指すことになった浅見だが、松岡の研究室の助手・岳岡の妻・マキが滝尻王子の乳岩で殺害されているのが見つかる。
妻が殺害されたにも関わらず、岳岡は補陀落渡海のイベントを決行すると言うのだが…
感想
これまでもちょいちょいと物語の中に顔を出していた「軽井沢のセンセ」こと内田康夫さんが、全編にわたって活躍する話になっています。
完全犯罪を狙ったという割にはトリックは大したものではないし、犯罪の動機なども弱いといわざるを得ません。
でも、この作品はあくまでも内田康夫さんの活躍ぶりを見るための作品だと考えると、数ある「浅見光彦シリーズ」の中でも価値のある1冊と呼べるのではないでしょうか。
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