内田康夫さんの『「紫の女」殺人事件』を読みました。
あらすじ
熱海にある和菓子屋の一家三人が毒を飲んで倒れているところを発見された。一人生き延びた娘の曾宮一恵(そみやかずえ)は服毒後、幽体離脱をして犯人の男を見たと言う。
浅見は一恵から推理小説作家の内田を通じて捜査を依頼される。愛車を駆って熱海へ向かった浅見は呆気なく一恵の幽体離脱の謎を解き明かす。
メモに残されていた「浮舟」という言葉に着目した浅見は、一恵と共に宇治へと向かう。
感想
京和菓子と紫式部の源氏物語を絡み合わせた作品になっています。
幽体離脱という非科学的な事象を取り扱っていますが、浅見にかかれば正に幽霊の正体見たり枯れ尾花というやつでしょう。幽体離脱の話を読んだだけでは何が起きたのか訳がわからないのですが、種明かしをされてしまうと、なんだそんなことかと思えてしまうのです。
しかも、この“幽体離脱”の間に一恵が見た光景が大きな意味を持っていて、終盤に大きく状況が二転三転することになるのでした。
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