内田康夫『「紅藍の女」殺人事件』

内田康夫さんの『「紅藍の女」殺人事件』を読みました。

将来を嘱望される新進ピアニスト・三郷夕鶴は、父・伴太郎の誕生会の日に怪しげな男性から父宛のメモを預かる。そのメモには「はないちもんめ」とだけ書かれていたが、それを見た伴太郎は一瞬眉をひそめた。
翌日、伴太郎の親友・甲戸天洞が骨董店の社長室で服毒死しているのが見つかり、甲戸の卓上からは「ふるさともとめて」と書かれたメモが見つかる。
札幌公演の帰りに河北町の紅花資料館を訪れた夕鶴は祖父の元で働いていたという横堀という男性に呼び止められ、危険が迫っていることを伝えられる。

「ルパシカ風のコートを着た男性」が関係者の周りに出没し、これが無実の罪を着せられて35年もの間服役した黒崎ではないかとおびえ上がる。
ミステリーの定石として、これだけ目立つ格好をするのは、その服装をすることで犯人がメッセージを送っている場合と、第三者が黒崎に罪を着せようとしている場合のどちらかが多い。
内田康夫さんの場合、ミステリーの定石が通用しないことも多いので、読んでいる側としては最後までハラハラさせられました。

 

 

 

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