内田康夫さんの『琵琶湖周航殺人歌』を読みました。
市民団体「琵琶湖の水を守る会」のリーダー格の一人・広岡友雄が自宅で服毒死を遂げた。所轄の横沢部長刑事は、妻・順子が広岡の友人・相川勇志と共謀して犯行に及んだとみて捜査に乗り出す。一方、横沢に目をつけられた相川は、自分と順子の身の潔白を証明して欲しいと浅見に依頼する。
また、一人旅を楽しんでいた森史絵は、琵琶湖畔のホテルで夜中に下階で歌われる寂しげな歌を聴くが、二日後、その歌声の主・加賀義雄が堅田の浮御堂で死体になって発見される。
観光船の中で知り合いになった浅見と史絵は、琵琶湖を舞台にした殺人劇に挑む。
舞台は水質汚濁が進んでいた頃の琵琶湖。
琵琶湖周辺の都市開発と、琵琶湖の水質を守るための市民活動を取り上げた、ただの推理小説の枠を超えた作品となっています。
しかしながら、推理小説としての要素も健在で、密室トリックとアリバイトリックの2つが取り込まれています。
ただ、いつものことながら、せっかくの密室や、せっかくのアリバイトリックを呆気なく解いてしまうんですよね…
物語の終盤まで謎解きをおいといてくれたら、もっと盛り上がるのになぁと、ちょっと残念な気分になってしまいました。
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