赤川次郎さんの『ABCD殺人事件』を読みました。
いやぁ、タイトルからしてやられました。
この「四字熟語殺人事件シリーズ」はタイトルが「四字熟語」+“殺人事件”で構成されているのですが、今回は『ABCD殺人事件』と来ました。
“ABCD”が四字熟語なのかどうかは意見が分かれるところかも知れませんが、奇想天外な発想であることは確かです。
また、『ABCD殺人事件』と言われて思い出さずにいられないのがアガサ・クリスティの『ABC殺人事件』です。
「A」から始まる街でイニシャルA・Aの人が殺害され、続いて「B」で始まる街でイニシャルB・Bの人が殺害される…という名作ですよね。
このシリーズでは、すでに『東西南北殺人事件』で、金曜日ごとに東、西、南の付く人が殺されるという事件がありました。
今回はイニシャルにまつわる連続殺人ではなくて、成績のA、B、C、D。「優」、「良」、「可」、「不可」ですね(もう1つの意味も隠されていますが…)。
この本には表題作を含め4編の短編が収録されていますが、どの作品にも共通しているのが、生真面目な(悪く言えば不器用な)人が出てくること。
私自身もそう世渡り上手ではない方だと思いますが、さすがにここまでではないかなぁと思うとちょっと勇気づけられたりします。
ちなみに私が1番面白いと思った作品は『天地無用殺人事件』。
思いがけないオチが最後に用意されています。
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