内田康夫さんの『藍色回廊殺人事件』を読みました。
四国八十八カ寺の取材のために四国を訪れた浅見光彦は、時効まで残り数年となった事件の存在を知ります。
例によって“悪い虫”が騒ぎ始めた光彦は事件の捜査に乗り出します。
とは言っても12年前に発生した事件。どのように捜査を進めていくのかなぁという点に興味がそそられます。
が、そこは光彦。持ち前のカンを働かせて事件を追いかけていきます。
すると、第二の事件が。
藪をつついて蛇を出すなのか、12年前の事件を解決するためには避けて通れない道なのか…
始めに目をつけたポイントから比較的ストレートに話が進んでいきましたが、時効間近の事件ならではの紆余曲折っぷりがあってもよかったかなぁと思いました。
犯人についてはいまいちよくわかりませんでした。
本当に彼女が犯人なのか、それとも真犯人をかばっているのか…
エピローグの書き方からすれば彼女が真犯人なのでしょうが…
あと、この事件で珍しいなと思ったのは、女性の犯行としたことです。
内田康夫さんの作品では十中八九男性が犯人。
女性が犯人だった作品はぱっと思いつきません。
そんな意味でも変わった作品でした。
本作品では吉野川への可動堰建設の問題が取り上げられています。
近年の異常気象(というか、それが通常になりつつある?)を受けて治水の問題が取り沙汰されています。
この状況下でこの作品が書かれたとしたら、どのようなものになっていたんだろうと考えてしまいました。
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