内田康夫さんの『美濃路殺人事件』を読みました。
岐阜県で美濃紙の取材をしていた浅見光彦は、犬山市の明治村で会社員殺害のニュースを目にしますが、その人物に見覚えが。光彦の中の悪い虫が騒ぎ始めます。
東京の宝石商月岡和夫が車内に大量の血痕を残し、現金5千万円と2億円相当の宝石と共に行方不明となる事件が2週間前に発生。明治村で殺害された会社員はその事件の報道で目にした人物でした。
月岡の娘三喜子と“衝撃的な”出会いを果たした光彦は2つの事件の謎を解くために東奔西走します。
犯人のアリバイトリックによってなかなか事件の尻尾を捕まえられない光彦ですが、終盤になってようやく急展開をむかえます。
ただ、いつも思うのですが、死体を運ぶというのは相当な労力が必要だと思うんですよね。
そんな意味で、ちょっと無理があるのではないかなぁと感じました。
いつもは警察庁刑事局長を兄に持つことを隠そうとする光彦ですが、この作品では自らその事実を明らかにしています。
ワンパターンにならないようにした結果なのかな?
私はあの“ワンパターン”が好きなんですけどね。
一方で、犯人を必ずしも法の裁きに処さない光彦のやり方はあまり好きではなかったりします。
そこが光彦の美学と私の考え方の1番の違いかな。
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