赤川次郎さんの『沈黙のアイドル』を読みました。
トップアイドルの声マネが得意な声優志望の女性が事件に巻き込まれていくのですが、そこは赤川ワールド。
偶然に偶然が重なるような出来事が続くのですが、そこに不自然さを感じず、すっと受けれてしまうところが赤川次郎さんの凄いところ。
赤川次郎さんが大好きなドイツ語圏の国も舞台になっていますが、この辺りも安定感があります。
ただ…
この作品については少し気になったところも。
まず、途中、数ヶ月の空白が設けられる部分があるのですが、その部分が乱暴というか、あっさりしすぎというか…
赤川次郎さんであれば季節の移り変わりなどの描写を含めて、自然に時間を経過させそうなものなのですが、どういう狙いがあるのだろう?と首を捻ってしまいました。
また、”なぜ命が助かったのか?”という最大とも言える疑問点の答えが出ていないような気がします。
私も初めは命が助かりっこないから「別人?」と思ったのですが、呆気なくその”推理”も崩れてしまいました。
ハラハラ、ドキドキで後半は一気に読み切れたのですが、少し違和感を感じてしまったのも事実ですね。
過去の「赤川次郎」記事
コメント