赤川次郎さんの『幽霊屋敷の電話番』を読みました。
電話にまつわる7編の短編が収められた短編集となっています。
電話と言っても、初めて出版されたのが平成4年ですから、まだ携帯電話が普及する前、固定電話の時代の話です。ひょっとするとプッシュ式ではなくダイヤル式がまだ使われていた時代かも知れませんね。
携帯電話ではなく、固定電話だからこそのミステリアスな話が揃っていて、かえって新鮮な気分にもなりました。
現代の科学では説明できない話や、人間の恨みつらみがつまった話など、人間の心理をうまく突いた作品ばかりとなっていました。
しかも、最後のページまで誰が、何のために電話をかけているのかがわからない。そういうところも電話ならではですよね。
「そういう復讐の仕方があったかぁ」とか、各収録作品の最終ページ、最終ページにうならされてしまいました。
また、今の自分の生活がいかに携帯電話に依存したものになっているかと言うことも改めて感じましたね。
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