内田康夫『白鳥殺人事件』

内田康夫さんの『白鳥殺人事件』を読みました。
「白鳥」という漢字は「はくちょう」、「しらとり」、「しろとり」など、いろいろな読み方があります。
なお、この作品は「はくちょうさつじんじけん」と読むのが正解だそうです。
また、「しらとり」、「しろとり」といった読み方もキーワードとして出てきます。

ちなみに、岐阜県の白鳥(しろとり)町、今の郡上市や、そこから油坂峠を越えて福井県に入ったところにある九頭竜湖は私にとって思い入れのある場所。
前回読んだ『若狭殺人事件』は福井県でも嶺南地方の話でしたが、この九頭竜湖は私が住んでいた嶺北地方にあります。
峠を越えて岐阜県まで行くことはほとんどありませんでしたが、学生時代に何度もドライブに行ったものです。
社会人になって兵庫に帰ってからも、訪れたことがあります。

この作品のもう1つのキーワードは「グリコ森永事件」です。
事件の名前までは出てきていないものの、著者があとがきにも記しているように、「グリコ森永事件」が題材となっています。
実世界では迷宮入りになってしまっているこの事件ですが、作中では浅見光彦が見事に解決に導いています。

それにしても、この作品における謎解きの爽快さはいったいなんなのでしょう。
ぐいぐいと引きつけられてしまいました。
謎解きの部分だけでいえば、これまで読んだ浅見光彦シリーズの中で1番の出来ではないでしょうか。

ただ、気になるのは謎解きの最後の部分。
いろんな取り方ができる、深~い記述だなぁと、また舌を巻いてしまいました。

 

 

 

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