内田康夫『遺骨』

内田康夫さんの『遺骨』を読みました。

読んだ感想は… 読みにくい!
その理由は「怒り」だと思います。
全編を通して内田康夫さんの怒りが溢れているように感じました。

この話では医療にまつわる問題を取り上げていて、特に脳死を人の死とするかや、臓器移植に関する法案が国会審議されていた時期に書かれたようです。
内田康夫さんはこれらに反対の立場を取られているようで、怒りがぶちまけられていると言っても良いほどです。

さらには戦時中の731部隊の話にまで話が及びます。
731部隊は当時の陸軍の中に存在した研究機関で、満州に拠点を置き、細菌戦に使用する生物兵器の研究・開発機関でもあったとされています。また、そのために人体実験や生物兵器の実戦的使用まで行っていたとも言われています。

当時の731部隊に関わっていた医師の倫理と、現在の医師の倫理…
戦争が人をおかしくしたとも言えますし、人は本質的に変われないとも言えます。
うーん、難しいですね。
タブーとも言える話にまで踏み込むとは、よっぽど脳死判定による臓器移植の問題が腹に据えかねたのでしょうね。
 

 

 

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