内田康夫さんの『イタリア幻想曲 貴賓室の怪人Ⅱ』を読みました。
この作品はタイトルからわかるように、『貴賓室の怪人 「飛鳥編」』の続編となります。
舞台は船上から1転して、イタリアトスカーナです。
トスカーナは私が大好きな所。新婚旅行でも訪れて、憧れのフィレンツェやピサを堪能しました。
今回の作品の主な舞台は、フィレンツェとピサの間にある(といっても、高速道路からは大きく離れていますが)カッシアーナ・アルタという村です。
(フィレンツェやピサを訪れる場面もありますので、消化不良はありませんでした)
この作品では「聖骸布」という極めて宗教色の強いテーマを扱っています。
しかし、他の作品で見られるような、あっと驚くような真実や仮説が出で来るわけでもなく、私の知識を大きく超えるものではありませんでした。また、欧米の作家が書いた聖骸布を扱った作品と比べても、やっぱりスケール感で見劣りしてしまうかな。
他の宗教の奥底に入り込む難しさを感じました。
ただ、描写力はさすが。トスカーナの田舎町の雰囲気がよく出ています。
人生が一段落したら、のんびりとこういう町に訪れてみたいものです。
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