内田康夫『貴賓室の怪人 「飛鳥」編』

内田康夫さんの浅見光彦シリーズ『貴賓室の怪人 「飛鳥」編』を読みました。
浅見光彦シリーズ初めての海外モノです。これまで、大の飛行機嫌いということで、国内を舞台に活躍してきた浅見光彦ですが、いよいよ海外へと羽ばたきます!といっても、飛行機ではなく当時国内最大だったクルーズ客船「飛鳥」に乗ってなんですけどね。
この「飛鳥」、約100日の世界1周クルーズのお値段は1人300~1,600万円だそうです。

また、岡部警視とも初共演だそうですが、すみません、私は岡部警視のシリーズは読んだことがなかったので、そのあたりはよくわかりませんでした…

現在はこの物語の舞台となった「飛鳥」はドイツの会社に売却され、「飛鳥Ⅱ」へとその座を譲っています。
この飛鳥Ⅱ、私も1度神戸港へ見に行ったことがあるのですが、本当に大きいです。まるで横長のビルが港に流れ着いてきたようでした。そして、白い船体がなんとも言えず美しいです。

 

もっとも、「飛鳥」は長さ192.82m、幅24.70m、総トン数28,856t、旅客定員604名なのに対し、「飛鳥Ⅱ」は長さ241m、幅29.6m、総トン数50,142t、旅客定員872名と1廻り大きくなっていますが、それでも十分「飛鳥」も大きかったのだと思います。

本作品も、船に負けず劣らずスケールの大きな作品になっていますが、世界1周の半分どころか1/5周もしないところで物語が終わってしまいます。そう、この作品には続編『イタリア幻想曲 貴賓室の怪人II』が存在するんです。

物語は浅見光彦が謎のスポンサーから「飛鳥」に乗ってルポを書くという仕事を打診されるところから始まります。
途中立ち寄った香港で同室の乗客が行方不明となり、後に遺体で見つかることになるのですが、捜査を進めてもことごとく壁にぶつかります。そのうちに少しずつ道筋が見えてくるのですが…
んー、これってアガサ・クリスティの『オリエント急行殺人事件』みたい。と思いながら読んでいると、文中にも『オリエント急行殺人事件』の名前がたびたび出現。あ、やっぱり意識されていたのね。
話の終わり方もやっぱり『オリエント急行殺人事件』みたいで何だかもやもや。
でも浅見光彦はこの結末に納得していないみたい。続編の『イタリア幻想曲 貴賓室の怪人II』で本当の謎解きがあるのかな?今から楽しみです。

 

 

 

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