
【読書】赤川次郎『不思議の国のサロメ』
今村まどかはの母・朝代は、不倫関係にあったまどかの家庭教師・角田の首を切り落とし、殺害してしまった。そのまどかも、自分がサロメになったと思い込み、精神病院へ入院させられてしまう。サロメとは、聖書に登場する少女で、王に踊りを所望された際、「なんでも望みのものをやる」という約束をさせた上で、妖艶な舞を踊り、「予言者ヨハネの首が欲しい」と望んだ人物である。そして、精神病院に入院させられたまどかも、看護人の首を切り落としてしまう。鈴本芳子は、少女の力で男性の首を切り落とすことができないと考え、第九号棟の仲間たちの力を借りて、事件の真相に挑む。