感想

└ 森博嗣

【読書】森博嗣『捻れ屋敷の利鈍』

保呂草潤平は、美術品鑑定士として、熊野御堂譲の屋敷を訪ねた。熊野御堂家の敷地の中には、メビウスの帯状の建築物、通称〈捻れ屋敷〉があった。しかし翌朝、捻れ屋敷を構成する部屋の1つで、男性の遺体が発見されるが、捻れ屋敷の入り口は施錠されていた。また、別の部屋に飾られていた美術品〈エンジェル・マヌーヴァ〉が持ち去られていた。さらに、熊野御堂も敷地内のログハウスの中で絞殺されているのが発見される。しかも、ログハウスの入り口は内側からセメントで固められていた。
▼著者 カ行

【読書】倉知淳『星降り山荘の殺人』

開発業者が新しく買い取ったオートキャンプ場の宣伝のために、スターウォッチャーの星園詩郎、作家の草吹あかね、UFO研究家の嵯峨島一輝ら9人が、雪に閉ざされた山荘に集められた。しかし、一夜明けると開発会社社長・岩岸豪造が殺害されているのが発見された。星園は付き人の杉下和夫とともに、事件を推理する。
└ 中山七里

【読書】中山七里『ヒポクラテスの憂鬱』

埼玉県警のホームページの掲示板に、 全ての死に解剖が行われないのは、私にとって好都合である。 埼玉県警は今後県下で発生する自然死・事故死において、そこに企みが潜んでいないかどうかを見極めるがいい。という書き込みが行われた。投稿者の名前はコレクター(修正者)。この書き込みを受けて解剖事案が急増。人員と予算が逼迫していく。
└ 中山七里

【読書】中山七里『カインの傲慢』

東京都練馬区の緑地の中で、少年の遺体が発見された。少年は開腹されており、肝臓が取り出されていたことから、〈切り裂きジャック〉の事件を担当した犬養隼人に招集がかかる。少年は中国の貧困地域に住んでおり、養子縁組という名目で日本に連れてこられていた。さらに、貧困家庭で育つ少年が、臓器を摘出された状態で殺害されているのが発見される。
└ 森博嗣

【読書】森博嗣『六人の超音波科学者』

瀬在丸紅子と小鳥遊練無は、6人の超音波科学者が集う土井超音波研究所のパーティに招待される。しかし、2人を送り届けた保呂草潤平の車のバッテリが上がってしまい、手間取っているうちに研究所に通じる唯一の道にかかる橋が爆破されてしまう。橋が爆破されたときに対岸に渡っていた祖父江七夏刑事が合流するが、6人の科学者のうちの1人であるファラディが殺害されてしまう。
└ 森博嗣

【読書】森博嗣『恋恋蓮歩の演習』

保呂草潤平と香具山紫子は、仕事のために世界一周中の豪華客船ヒミコに乗船する。さらに、2人を見送りに来た瀬在丸紅子と小鳥遊練無も、下船しそこなって船の中に。ヒミコにはスイートルームが3つ。そのうちの1つを使用する鈴鹿幸郞が商談のために持ち込んだ、関根朔太の自画像が何者かに盗まれてしまう。さらに、別のスイートルームで銃声がしたあと、乗客の羽村怜人が海へ転落してしまう。
└ 米澤穂信

【読書】米澤穂信『巴里マカロンの謎』

小鳩常悟朗と小左内ゆきは、名古屋に新しくオープンした洋菓子店へ行く。2人は紅茶と3つのマカロンがセットになった〈ティー&マカロンセット〉を頼むが、目を離しているうちに小左内の皿の上に置かれたマカロンが4つに増えていた!小鳩と小佐内はマカロンを前に、犯人と目的を推理する。
▼著者 海外

【読書】ケン・グリムウッド『リプレイ』

放送ジャーナリストのジェフ・ウィンストンは、1988年10月18日13時6分に心臓発作を起こして死亡する。しかし、目を覚ますと、25年前の学生時代に戻っていた。ジェフは記憶を頼りに、競馬や株で莫大な財産を築くが、ふたたび1988年10月18日13時6分に心臓発作を起こし、25年前に戻る。ジェフは3回目の〈リプレイ〉で、ジェフの記憶にない大ヒット映画をプロデュースしたパメラ・フィリップスと出会う。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『マイ・ディア・ポリスマン』

小学3年生まで暮らした町にある交番・東楽観寺前交番に赴任してきた宇田巡巡査。宇田が交番の前で立番をしながら同級生で東楽観寺の副住職・木村行成と話をしていると、女子高生の楢島あおいが、漫画のモデルにするため写真を撮りたいと言ってきた。写真撮影に応じてあおいを見送ると、木村が座るベンチの上に、女物の財布が残されていた。
└ 森博嗣

【読書】森博嗣『魔剣天翔』

小鳥遊練無の先輩・関根杏奈が出演する航空ショーの最中、2号機を操縦する西崎勇輝が背中を撃たれた。操縦士を失った2号機は3号機と接触して墜落。西崎以外の乗員3名は機外へ脱出して難を逃れる。一方、探偵の保呂草潤平は、ジャーナリストの各務亜樹良から、杏奈の父で画家の関根朔太が所有しているといわれる美術品〈エンジェル・マヌーヴァ〉を手に入れたいと依頼される。
└ 米澤穂信

【読書】米澤穂信『秋期限定栗きんとん事件』

同じ小市民を目指していたが、別々の道を歩むことにした小鳩常悟朗と小左内ゆき。やがて、小鳩には中丸十希子、小左内には瓜野高彦という彼女、彼氏ができる。瓜野は船戸高校新聞部の1年生。毎月発行する〈月報船戸〉に、学校外の出来事も取り入れようと提案するが、部長の堂島健吾に潰される。そんな矢先、〈月報船戸〉にコラムを載せることになり、瓜野は市内で発生している連続放火事件を取り上げることに成功する。
├ 有栖川有栖

【読書】有栖川有栖『乱鴉の島』

作家の有栖川有栖は、犯罪社会学者の火村英生とともに、休暇を過ごすために鳥島にある民宿を訪ねる。しかし、2人が辿り着いたのは、黒根島・通称烏島だった。黒根島には高名な詩人海老原瞬の別荘があり、管理人2人と海老原を慕う8人の男女、2人の子供がいた。さらに、31歳の辣腕起業家・初芝真路がヘリコプターで乗り込んでくる。部外者である有栖川と火村、初芝を排除しようとする空気が流れる中、最初の事件が起きる。
└ 中山七里

【読書】中山七里『復讐の協奏曲』

優秀だが悪辣で弁護費用は法外であることで有名な弁護士・御子柴礼司の懲戒請求を呼びかけるブログに乗じた市民から、800通以上の懲戒請求が届く。これに対し、御子柴は名誉毀損だとして、1名当たり150万円の損害賠償を求める。そんな事務作業に追われる中、御子柴弁護士事務所の職員・日下部洋子が殺人罪で逮捕された。洋子が知原徹矢と食事をして別れたあと、知原はナイフで刺されたが、凶器のナイフから洋子の指紋が検出されたのだ。
└ 森博嗣

【読書】森博嗣『夢・出逢い・魔性』

香具山紫子、瀬在丸紅子、小鳥遊練無の3人は、クイズ番組の女子大生大会に参加するため、探偵の保呂草潤平とともに東京のNテレビを訪れた。リハーサルの最中、プロデューサーの柳川聖志が使っていた部屋から、アイドル・タレントの立花亜裕美が出ていったあと、火薬の破裂音がした。不審に思った保呂草と同業の稲沢真澄が部屋を確認すると、柳川が拳銃で2ヶ所を打たれて絶命していた。一方、小鳥遊は亜裕美とともにNテレビの社屋から消えてしまう。
└ 中山七里

【読書】中山七里『どこかでベートーヴェン』

岐阜県立加茂北高校の音楽科に、岬洋介が転入してきた。ピアニスト志望の岬は、他の生徒たちが足下にも及ばない突出した才能を見せつける。夏休みの登校日、豪雨によって校舎裏の崖が崩れた。さらに、通学路に架かるたった1本の橋が流されてしまう。岬は丸太橋のように川の両岸に架かった電柱をつたって救助を求めに行ったが、学校に至る坂道の途中で、同級生の岩倉智生の他殺体を発見する。
├ 大倉崇裕

【読書】大倉崇裕『ゾウに魅かれた容疑者』

休暇を取っていた警視庁総務部総務課の田丸弘子が連絡を絶った!上司の須藤友三警部補と、捜査一課で須藤のライバルだった石松、日塔両警部補は弘子の自宅を訪れるが、プロの手によって何の痕跡もないように掃除されたあとだった。須藤と部下・薄圭子は、残されたわずかな手がかりから、弘子がラオスに連れ去られたと推理する。
└ 森博嗣

【読書】森博嗣『有限と微小のパン』

N大学工学部の犀川研究室は、ゼミ旅行で長崎のユーロパークへ行くことに。西之園萌絵と牧野洋子、医学部の反町愛の3人は前乗りすることになった。しかし、3人が到着した日の夜、ユーロパークにオフィスを構えるソフトウェア会社・ナノクラフトの社員・松本卓哉が教会の建物の中で殺害されてしまう。しかも、萌絵たちが教会の外に出ている間に松本の死体は消え、腕だけが残されていた。さらに、萌絵たちを案内してくれたナノクラフトの社長秘書・新庄久美子が密室で背中を刺されて殺害されてしまう。
└ 中山七里

【読書】中山七里『ヒポクラテスの誓い』

研修医の栂野真琴は、内科医の津久場教授から広範な知識を得るようにと、法医学教室での研修を命じられた。法医学の権威・光崎藤次郎教授とアメリカ出身のキャシー・ペンドルトン准教授のもとで研修を行うことになった真琴だが、法医学の意義に戸惑う。そんなことはお構いなしに、光崎は県警が要請もしていない案件、遺族に虚偽申告して解剖した案件、別の監察医務院が処理したあとの案件などを次々にこなしてしまう。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『吸血鬼に鐘は鳴る』

神代エリカは父のフォン・クロロックとともに、ドイツの小さな町に木彫りのキーホルダーを買い付けにやってきた。この町の小高い丘の上には修道院があって、日本で女優として活躍した光田麻里がいた。5年前、妻子ある男性が麻里との恋に破れて自殺したあと、この地に来て修道女として生活していたのだった。
└ 中山七里

【読書】中山七里『ドクター・デスの遺産』

警視庁の通信指令センターに、「悪いお医者さんが来て、お父さんを殺しちゃったんだよ」と、男の子から110番通報が入った。念のために男の子の家に向かった犬養隼人と高千穂明日香が、不審死の臭いを嗅ぎつけ、遺体を司法解剖に回したところ、心筋に悪影響を及ぼすカリウムの血中濃度が異常に高かった。殺害された馬籠健一は末期の肺がんで、ドクター・デスなる人物に20万円で安楽死を依頼したことがわかった。
└ 米澤穂信

【読書】米澤穂信『夏期限定トロピカルパフェ事件』

小市民として日々を平穏に過ごすことを目指す高校2年生・小鳩常悟朗は、同じく小市民を目指す小左内ゆきから、〈小左内スイーツセレクション・夏〉と題した地図をもらう。そして、夏休みの間に、ゆきがピックアップしたベスト10スイーツを制覇すべく駆け回る。一方、小鳩の友人・堂島健吾は、川俣さなえが悪い仲間に引き込まれたと、妹のかすみから相談を受けていた。
└ 中山七里

【読書】中山七里『悪徳の輪舞曲』

世田谷区三軒茶屋に住む元会社役員・成沢拓馬が鴨居から首を吊って死んでいるのが発見された。当初、成沢は自殺と見られたが、その後の捜査で他殺の疑いが浮上。妻の郁美が殺人容疑で逮捕された。郁美は〈死体配達人〉として世間を騒がせた園部信一郎、現在は悪徳弁護士として名を馳せる御子柴礼司の母親だった。御子柴は妹の梓から郁美の弁護を依頼される。
├ 大倉崇裕

大倉崇裕『アロワナを愛した容疑者』

内閣管理室室長・馬力階二郎の三男・光吉がマンションの1室で殺害された。室内でアロワナが飼われていたことから、警視庁総務部動植物管理係の須藤と薄に声がかかるが、2人を待っていたのは10年前にシンガポールで略奪された〈クレセント〉と呼ばれる個体であることがわかる。事件の裏に、フィッシュ・マフィアの影が見え隠れして…
└ 森博嗣

【読書】森博嗣『数奇にして模型』

M工業大学近くの公会堂で行われていた模型交換会の控室で、モデル・筒見明日香の首なし死体が発見された。控室は密室状態だったが、中ではM工業大学大学院生の寺林高司が頭を殴られて倒れていた。同じ夜、寺林が所属するM工業大学の研究室でも、大学院生の高倉裕子が首を絞められて殺害された。裕子が殺害された部屋も密室だったが、公会堂の控室、研究室両方の鍵を所持していた寺林に疑いがかかる。