感想

├ 下村敦史

【読書】下村敦史『失踪者』

真山道弘は、樋口友一とともにシウラ・グランデ峰の西壁を極めようとしていたが、吹雪に見舞われ、結果的に樋口はクレバスへ転落してしまった。10年後、真山はふたたびシウラ・グランデ峰を訪れ、樋口の遺体を発見するが、その顔は、真山が最後に見た樋口のそれよりも老けていた。さらに、所持品の中には、5年前に発売された装備が混じっていた。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『レディ・マドンナ』

『雪やこんこあなたに逢えた』東京の下町にある古本屋〈東京バンドワゴン〉に、変わった客が現れた。現代作家の作品が並ぶ棚の同じ場所から、十数冊まとめて買っていくのだ。さらに、状態の良い古書を、1冊ずつ買い取りに持ち込む客も…彼らは何者で、何が目的なのか?
├ 歌田年

【読書】歌田年『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』

"紙鑑定士"の渡部圭の事務所に、"神探偵"と間違えた米良杏璃が、カレシの浮気の相談にやってきた。杏璃のカレシが捨てた財布の中から見つかった紙片から、カレシが外国人パブに入れ込んでいることを突き止めた渡部だが、今度は杏璃から、妹が行方不明になっているという曲野晴子を紹介される。
▼著者 ア行

【読書】安生正『生存者ゼロ』

根室沖に浮かぶ石油掘削プラットフォームからの連絡が絶たれた。嵐の中プラットフォームへ降り立った陸上自衛隊の廻田三佐は、職員全員が死亡しているのを発見する。感染症学者の富樫は感染源の究明にあたるが、同業者からの抵抗を受けている内に、北海道本土で同じ悲劇が繰り返されてしまう。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『警視庁情報官 ブラックドナー』

警視庁企画課情報室長の黒田純一は、恋人の草野遙香とのハワイ旅行中、体調不良とされていた極盛会組長・宝田宗則を発見する。宝田は入国できないはずのアメリカで、肝臓の移植手術を受けていた。帰国した黒田は、臓器密売ルートを暴くため、自らフィリピンのマニラへ飛ぶ。さらに、部下をアメリカと中国へ向かわせ、一連の闇を白日の下にさらす。
├ 大倉崇裕

【読書】大倉崇裕『冬華』

月島で便利屋をしている倉持と、3ヶ月前から一緒に仕事をしていた深江が、何も言わずに姿を消した。倉持は心あたりをあたって、深江が奥穂高岳へ向かったと確信する。一方、1人で山小屋で暮らして猟をしている植草は、熊本と名乗る人物から、人を撃って欲しいと依頼される。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『スタンダップダブル!』

北海道にある公式戦未勝利校・神別高校野球部に、双子の青木健一、康一兄弟、キャッチャー・村上信司のセンターラインを中心とする、守備のチームができあがった。監督は、元甲子園球児で、現役の実業団野球選手だった田村敏幸。そして、青木兄弟らを中学の頃から追いかけていた新聞記者の前橋絵里は、偶然山路という男性と知り合うが、山路は田村とバッテリーを組んで甲子園に出場した人物だった。
├ 貴志祐介

【読書】貴志祐介『狐火の家』

西野真之の娘・愛美が自宅の中で殺害された。死亡推定時刻は、真之が発見する30分前、プラスマイナス30分。自宅が密室状態だったこともあり、第1発見者の真之が参考人として事情を聞かれる。地元弁護士から依頼を受けた弁護士の青砥純子は、防犯コンサルタントの榎本径とともに、密室の謎に挑む。
└ 森博嗣

【読書】森博嗣『情景の殺人者』

探偵事務所長の小川令子が俳優の草元明美と浮気調査の契約を結んだ日、明美が稽古場の裏の駐車場で殺害された。積もった雪に広がる血痕。実は、過去にも雪の上に血痕を残して女性が殺害された事件が2件発生していたという。
├ 島本理生

【読書】島本理生『よだかの片想い』

前田アイコの左目の下から頬にかけては、生まれつきのアザがある。常に他人の目を気にしながら生活してきたこれまでの人生。そんなアイコに、顔にアザや怪我がある人に対するインタビューの話が持ちかけられる。承諾したアイコには、本の表紙になって欲しいというお願いまで…さらに、その本を原作にした映画の制作が決まる。監督は飛坂逢太。研究一筋で大学院博士前期課程まで進んだアイコは、飛坂に初恋の想いを抱く。
├ 周木律

【読書】周木律『教会堂の殺人』

X県の山奥に"狂気の建築家"沼四郎が建てた教会堂。その側を流れる川の下流で、数学者の小角田雄一郎の水死体が見つかった。さらに新聞記者の脇宇兵の焼死体が発見される。さらに、第2、第3の被害者まで…教会堂にはトラップが仕掛けられており、自分が死んでもう1人を助けるか、自分が生き残ってもう1人を犠牲にするかの2択を迫られることになっていた。
▼著者 カ行

【読書】小島正樹『武家屋敷の殺人』

弁護士の川路弘太郎は、孤児院で育った静内瑞希から、生家を探して欲しいという依頼を受ける。手がかりは、瑞希が孤児院の前に置かれたときに一緒に置かれていた伯父からの手紙と日記、母と祖母らしき写真の3点。川路と友人の那珂邦彦は、瑞希の生家を発見することに成功するが、新たな殺人事件が発生してしまう。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『警視庁公安部・青山望 一網打尽』

文子と入籍した青山望は、京都旅行の最中、祇園祭見物中に銃撃事件に出くわした。コリアンマフィアとチャイニーズマフィアの抗争と見られたが、その背後には北朝鮮も含めたサイバー犯罪の影があった。半グレ集団や芸能ヤクザなど、広く根を張る問題に、青山ら同期カルテットが挑む。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ』

朝、店先に出しているワゴンの上に、林檎が置かれるということが、3度続いた。一方、中学に上がって図書委員になった研人が、友人の西田光輝と喧嘩するという事件が起きる。
├ 秋吉理香子

【読書】秋吉理香子『絶対正義』

ノンフィクション作家の和樹、主婦の由美子、インターナショナルスクールの副学長の理穂、俳優の麗香。高校の同級生4人のもとに、高規範子から招待状が届く。範子は、和樹ら4人が、5年前に殺害したはずの人物。約束の日、約束の場所で待ち受けていたのは…
▼著者 ヤ行

【読書】八木圭一『一千兆円の身代金』

国武元副総理の孫息子・篠田雄真が誘拐された。犯人の要求は、日本の財政赤字額である1085兆円の身代金。または、財政危機を招いた責任についての謝罪と、具体的な再建策の提示を行うこと、という、前代未聞のもの。警察は、平岡ナオトという人物が書いた『嘆願ブログ』に着目するが…
└ 中山七里

【読書】中山七里『作家刑事毒島』

『ワナビの心理試験』フリーの出版プロデューサー・百目鬼次郎が、背後から柄のないアイスピックのようなもので刺されて殺害された。百目鬼は〈小説すめらぎ新人賞〉の下読みを担当しており、落選させた三人の応募者から、脅迫めいた抗議文が出版社に届けられていた。警視庁の犬養は、コンビを組む高千穂明日香に、刑事技能指導員で兼業作家の毒島真理の意見を訊いてくるよう指示する。
▼著者 ナ行

【読書】南原詠『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来』

特許権を盾に、企業から巨額の賠償金をふんだくっていた元パテント・トロールの大鳳未来のもとに、VTuberが使用している撮影システムが特許を侵害しているとの警告書が届いたと、相談が持ちかけられた。権利者は、撮影システムの使用中止と破棄、ならびに売り上げの10%を要求するという、他に類を見ない内容だった。このシステムを使用する人気VTuber・天ノ川トリィを護るため、未来が立ち上がる。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『花咲小路三丁目のナイト』

大学を卒業し、2年間一般企業で働いた堂本望は、叔父が経営する花咲小路商店街の喫茶店でアルバイトをすることになった。叔父の円藤仁太が経営する〈喫茶ナイト〉は、深夜営業の店で、映画のVHSやDVDのレンタルも行っているが、仁太のもとには近所の人から相談が持ちかけられる。今回相談を持ちかけたのは、8歳年上で子持ちの元ホステスの女性に恋してしまった大学生だった。
├ 下村敦史

【読書】[オススメ]下村敦史『同姓同名』

登場人物は全員「大山正紀」!!前代未聞のミステリ。16歳の少年が、6歳の少女をめった刺しにして殺害する事件が発生。通常、少年の名前は報道されないが、一部報道で犯人が「大山正紀」であることが流れてしまう。その報道は、同姓同名の「大山正紀」らの運命を変えてしまうことになる。「大山正紀」らは、被害者の会を立ち上げるが…
├ 周木律

【読書】周木律『伽藍堂の殺人』

N県の沖合に浮かぶ伽藍島。ここで、2人の数学者による講演会が開かれた。伽藍島に集まったのは、放浪数学者の十和田只人や、大学院生の宮司百合子。そして、百合子の兄で警察庁の警視である司ら。伽藍島にある2つの堂、伽堂と藍堂で、常沢浄と大石誉樹による講演が行われたが、公演後、2人は伽堂に設置されたマイクスタンドに突き刺さった状態で発見された。さらに、伽藍島の管理を任されている品井秋が、桟橋から転落して死亡しているのが見つかる。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『警視庁情報官 トリックスター』

第2次世界大戦終了時に、旧財閥がロスチャイルドに預けたとする約5000兆円の利息部分を日本のために使用したいと企業に持ちかける詐欺が発生。また、人工衛星を制作する会社では、株式に疎い社長を騙して、未公開株を利用した詐欺事件が発生する。さらに、警視庁情報室長の黒田純一は、世界平和教と日本研鑽教会が手を組み、警視庁本部を襲撃するとの情報を得る。
▼著者 マ行

【読書】麻耶雄嵩『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』

探偵の木更津悠也と香月実朝の2人は、今鏡伊都からの依頼により、〈蒼鴉城〉と称される今鏡家の屋敷を訪ねた。しかし、2人より先に警察が到着しており、屋敷の中では伊都と息子の有馬が殺害された上、首を切断されていた。2日後には伊都の弟・畝傍が殺害されるが、これはまだ悲劇の序章だった。
├ 貴志祐介

【読書】貴志祐介『硝子のハンマー』

日曜日の昼下がり、ビルの12階にある介護サービス会社の社長室で、社長が倒れているのを、窓の清掃をしていた男性が発見した。エレベーターは暗証番号を入れなければ12階に止まらず、廊下には監視カメラ、窓には防弾硝子がはめられていた。当時、社長は昼寝中。副社長は外出中で、直接社長室に入ることができる専務室で昼寝をしていた専務が、社長殺害の容疑で逮捕される。弁護団の1人、青砥純子は、防犯コンサルタントの榎本径の力を借りて、専務の無実を証明しようとする。