レビュー

├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『いつもの寄り道』

結婚してまだ1年の伏見加奈子だが、夫の謙治が大阪へ出張に行くと言ってでかけたあと、青森の温泉旅館の火事に巻き込まれて死んだと連絡があった。謙治は、若い女性と一緒に宿泊していて、火事に巻き込まれたらしい。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『真夜中のオーディション』

売れない女優の戸張美里は、都合が悪くなった友人に代わって、オーディションを受けることになった。そのオーディションは変わっていて、まず時間が夜中の12時。場所はマンションの1室だった。美里に割り当てられた"役"は、12年前に行方不明になった少女・金井和恵を演じること。しかも、舞台やカメラの前ではなく、現実世界で和恵になりきって欲しいというのが、先方からの依頼だった。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『納骨堂の悪魔』

前作『やさしすぎる悪魔』で、矢吹真由子を危険な目に遭わせてしまったお詫びということで、花園学園高校の名物三人組、矢吹由利子と弘野香子、桑田旭子プラス由利子の妹真由子の4人は、試験休みと週末を利用して、ドイツへの「短期語学研修」に行くことに。飛行機の中で出会った会社社長・明石幸男に昼食をおごってもらうことになった4人だったが、食事の途中、席を外した明石が行方不明になってしまう。明石の部下・三好が乗った車が爆発するなど、日本を離れても事件にまとわりつかれるはめに。そして、明石の知り合いだという女性マリア・バートリの城へ招待される。
└ 東野圭吾

【読書】東野圭吾『ある閉ざされた雪の山荘で』

ある劇団のオーディションに合格した男女7人が、早春の乗鞍のペンションに集められた。7人には新作推理劇の細部を作りあげるため、雪で閉ざされた山荘に客としてやって来た人間になりきって欲しいというのが、脚本家の東郷陣平からの指示だった。指示通り、ペンションでの生活を始めたその夜、遊戯室でピアノを弾いていた笠原温子が姿を消し、「死体はピアノのそばに倒れていた。首にはヘッドホンのコードが巻きついており、絞められた痕がある」と書かれた紙が置かれていた。ペンションから1人、また1人と消えていくのは、芝居の一部なのか?
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『闇が呼んでいる』

女子大生の田渕美香、池内小百合、轟淳子、黒沼さとみの4人は、ある朝マリファナの匂いが籠もる部屋で全裸で目を覚ました。前の晩、アメリカ人らしい3人の男の子たちと薬をやっている間に、何か飲まされてわけがわからなくなってしまったらしい。部屋を出ようとしたところ、建物に警察が家宅捜索に入ってきた。機転を利かせた美香は、被害者として警察に助けを求める。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『やさしすぎる悪魔』

花園学園高校の3人組、矢吹由利子と弘野香子、桑田旭子がレストランで食事をしていると、近くのテーブルで食事をしていた男性が、連れの女性をナイフで刺そうとした。3人組の活躍で男を取り押さえたのだが、その男は「ここは私がごちそうするわ」と、女性が自分を馬鹿にしたと憤慨していた…翌日、カラオケ中に酔って骨折した教師に代わりに、花園学園へやって来たのは、昨晩、男にナイフで刺されかけた女性・暁久美枝だった。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『吸血鬼ブランドはお好き?』

ファッションデザイナーの玉子・小林麻乃は、夜の公園で女子社員に向けてマントを翻すフォン・クロロックを見て、黒と紅の取り合わせを取り入れたデザインを思いついた。社長の草間紫音に褒められたが、なぜかショーの前日にクビに。そして、そのショーでは麻乃が描いたデザインをベースにした作品が多数出展されていた。
└ 東野圭吾

【読書】東野圭吾『眠りの森』

高柳バレエ団の事務所に強盗が押し入ったが、ダンサーの斉藤葉瑠子が金属製の花瓶で頭を殴打し、強盗を死なせてしまった。捜査にあたった加賀恭一郎らは、正当防衛ということで裏付け捜査を進めるが、バレエ団の公演のゲネプロで、バレエ・マスターの梶田康成が毒殺される事件が発生する。さらに、ダンサーの柳生講介が命を狙われる。そして、梶田の殺害トリックが見えてきた頃、被疑者として名前が挙がった森井靖子が自殺を遂げる。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『復讐はワイングラスに浮かぶ』

A事務器では、新しく入った女性社員が長続きせず、数ヶ月で辞めてしまうことに頭を悩ませていた。そこで、人事課長の峰山と、庶務課の久我幸代が、若い女子社員を引き留めるための策を講じた。幸代の甥を入社させ、女子社員たちの気を引こうと考えたのだ。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『無言歌』

娘の結婚式の日の朝、大学教授の柳原利明の携帯に、元浮気相手の内山晶子から「私も今日結婚するんです」とメールが入った。しかし、晶子は、披露宴の前に姿を消してしまった。一方、柳原の大学では、文学部長が急死し、新しい学部長候補として柳原の名前が挙がる。その柳原の選挙参謀が、柳原の娘・真由美と結婚した講師の馬淵貞之だった。また、柳原の次女で高校生の亜矢の親友・倉谷純子は、不倫の恋に悩んでいた。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『昼と夜の殺意』

ピアニストを目指す水城澄音と、ヴァイオリニストを目指す韻子(かずこ)は、腕の病気によって自らのピアニストとしての生命が絶たれてしまった、母・貞子からの英才教育を受けて育った。私生活は自由奔放な澄音に対し、音楽以外に関してはうぶな韻子。そんな韻子に結婚を申し込んでいた栗崎の出張先である札幌に、澄音にもらった航空チケットを使って飛んだ韻子だったが、そこで見たのは栗崎のベッドから起き上がる、裸の澄音の姿だった。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『泥棒は幻を見ない』

子供を虐待して死なせた鎌田直也が、肩から斜めに一太刀で切られて殺害された。傷を見た今野淳一は、並みの腕前ではないと判断する。また、勤めていた警察署から1億円を盗み出した竹原紘二も、バッサリと斬られて殺害された。
└ 東野圭吾

【読書】東野圭吾『探偵ガリレオ』

自動販売機の前にたむろしていた若者の後頭部が突然炎上。近くに置かれていたガソリン入りのポリタンクに延焼して、1人が死亡、4人がやけどを負う事故が発生した。この事件を担当することになった警視庁捜査一課の草薙刑事は、学友で物理学教授の湯川の力を借りて捜査に乗り出す。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『パパの愛した悪女』

布川香織の母・栄恵は、「好きな人ができてしまいました。彼と二人で死のうと決めました」と書き置きを残して家を出た。その4日後、海岸沿いのホテル近くの崖の上に、男女2人の靴が並べて置かれているのが発見された。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『まっしろな窓』

高校生の疋田香織の母・瑛子は、団地共済会の会長を務めていた。共済会には、団地の住民だけでなく、周辺住民も加入していたのだが、集会所で開くバザーのテーブル配置を巡って、団地の住民と外の住民が揉めはじめた。ついには、団地に住む浜田が、団地の外に住む吉野を殴り倒してしまい、吉野は死亡した。団地の住民が、吉野から殴りかかってきたと証言するのに対し、団地の外の住民は、浜田がいきなり殴りかかってきたと証言する。団地の内と外の住民たちの対立は、香織が通う学校での人間関係にも影響してしまう。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『昼下がりの恋人達』

結婚を控えた秀治と純江は、郊外にマイホームを構えた。職場から2時間かかる新居から、乗客がいない電車に乗っていると、次の駅で乗ってきたお年寄りが、突然苦しみはじめた。次の駅でそのお年寄りを降ろし、駅へと担ぎ込んだが、お年寄りは2度目の発作で亡くなった。しかし、病院へ運び込んでくれた秀司と純江には、遺産の一部として5千万円が遺されていた。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『寝過ごした女神』

団地に住む主婦・浦上早希子が、スーパーマーケットの前で拾った宝くじが、1等2000万円に大当たり。しかし、夫の明夫が勤める会社は不景気で、来月から残業手当や休日出勤手当が出なくなるとのこと。久々に家族で外食に出かけた早希子たちだったが、レストランで明夫の上司・浜野部長と遭遇する。浜野は外からやって来た人物で、経営のお目付役。独身でプレイボーイという評判だった。
└ 東野圭吾

【読書】東野圭吾『天空の蜂』

錦重工業と自衛隊が開発していたヘリコプター〈ビッグB〉がハイジャックされた。自動操縦機能を乗っ取った犯人が、リモートで操作した〈ビッグB〉は、福井県にある高速増殖炉『新陽』の上空へ。犯人らは、全国にある原子力発電所を使用不能にすることを要求してきた。要求に応えなければ、爆発物を搭載した〈ビッグB〉を『新陽』の上に落下させるという。
├ アガサ・クリスティー

【読書】アガサ・クリスティー『NかMか』

第2次世界大戦中、敵国ドイツの諜報員、NとMが、イギリスへ送り込まれたという情報を受けて、前の戦争の際、情報局員として活躍したトミー・ベレズフォードはゲストハウス〈無憂荘〉に送り込まれる。メドウズと名前を変えて〈無憂荘〉を訪れたトミーだったが、そこには、すでにブレンキンソップと名前を変えた、妻のタペンスが宿泊していた。トミーとタペンスは、諜報員NとMの手がかりを求めて、〈無憂荘〉の宿泊客たちの様子を伺う。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『終電へ三〇歩』

柴田秀直は、リストラの対象になってしまったが、家族にそのことを告げられないまま、最終日を迎えてしまった。その夜、上司の永井絢子と専務の黒木昭平の不倫現場を目的する。これをネタに、会社にとどまれるように交渉しようと考えた柴田だが、絢子も悩みを抱えていることを知って、思いとどまる。そんな柴田と絢子の前に、高校生の三神彩と常田治の2人が現れる。彩と常田は、父親同士が犬猿の仲で、家を飛び出してきてしまっていた。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『真夜中の散歩道』

駆け出しの霊媒師・神崎茜は、殺されたはずのニュースキャスター・一色大吾の姿を目撃し、話までしてしまった。大吾の葬儀の日に、大吾と一緒に働いていた北条まなみと話をするが、そのまなみも、前の晩に殺害されていた。さらに、刑事と殺人犯の撃ちあいに巻き込まれ、殺人犯・武口伸夫が茜の上にのしかかった状態で絶命した。
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【読書】赤川次郎『乙女に捧げる犯罪』

小久保友紀は、10歳の時に変質者に誘拐された。その変質者を殺しにやってきた殺し屋に助けられたが、7年後、その殺し屋を偶然町で見かける。父・康司の浮気でギクシャクしていた家庭内だったが、康司の愛人・栗山多恵子がホストの根石守と心中したことで、家庭内に平和が戻る。しかし、友紀の前に、多恵子と根石の心中が、偽装殺人ではないかと疑う芳村刑事が現れる。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『知り過ぎた木々』

私立の女学校〈堂上学園〉では、夏期林間学校のメインイベントのマラソン大会で優勝した生徒が、学級委員を務めるという慣わしがあった。そのマラソン大会で、長谷井美知とのデッドヒートに競り勝ったのが折原待子だった。しかし、待子は担任の佐倉純子に「私――恥ずかしい。死ぬしかないんです」と電話したあと、川に身を投げたところを発見された。幸い意識を取り戻した待子だったが、記憶を失っていた。そして、翌年の夏期林間学校に、待子も参加することになるが、待子の遠い親戚にあたる永井夕子が、同伴することになった。
└ 東野圭吾

【読書】東野圭吾『白夜行』

大阪にある建設途中で放置されたビルで、質屋の主人・桐原洋介が殺害された。複数の容疑者が現れては消えたあと、捜査線上に浮かんでいた卸売業を営む寺崎忠夫が事故死して、事件は暗礁に乗り上げた。桐原洋介の息子・亮司と、桐原洋介と関係があったのではないかと見られていた西本文代の娘・雪穂の周囲では、その後も事件が発生する。19年にわたって2人を追い続けた刑事・笹垣潤三が、包囲網を徐々に狭めていく。