├ 下村敦史 【読書】下村敦史『絶声』 父親が死ぬ1時間半前、堂島太平の屋敷で、長女の美智香と後妻の息子・大崎正好が、その時を待ちわびていた。しかし、部屋に入ってきた長男の貴彦が、「父さんが生きている」と言いだした。父・太平は7年前に膵臓がんを患いながら失踪。家庭裁判所による「失踪宣告」によって、死亡が認められる前日、太平のブログに『私はまだ生きている』という記事が更新されたのだった。 2023.11.03 ├ 下村敦史
▼著者 カ行 【読書】鴨崎暖炉『密室狂乱時代 絶海の孤島と七つのトリック』 現場が密室であれば無罪という判例が出た日本では、密室殺人が横行。〈密室代行業者〉なる職業まで誕生した。そんな中、高校生の葛白香澄は、大富豪・大富ヶ原蒼大依が所有する金網島で開かれる、『密室トリックゲーム』に招待される。しかし、ゲームの最中、参加者たちが実際に密室で殺害されるという事件が発生する。 2023.11.02 ▼著者 カ行
└ 中山七里 【読書】中山七里『逃亡刑事』 千葉県警組織犯罪対策部の生田忠幸巡査部長が、廃業したカーディーラーの店舗で殺害された。捜査一課の高頭冴子警部は、組織犯罪対策部薬物銃器対策課の玄葉昭一郎課長が、押収した薬物を横流しし、口封じに生田を殺害したという結論に行き着く。しかし、証拠を集めている段階で、逆に玄葉らに証拠を捏造され、冤罪を着せられてしまう。高頭は、生田の殺害現場を目的してしまった少年・御堂猛と共に、大阪のA地区に身を隠す。 2023.11.01 └ 中山七里
├ 下村敦史 【読書】[オススメ]下村敦史『告白の余白』 京都の人がみんな腹黒いわけじゃないと言われるかも知れませんが、この作品の見所は、全編にわたって、堂々と伏線が張り巡らされているところにあります。伏線なのに伏せられていないなんて!まさか、あのやりとりも伏線の一部だったなんて…伏線が回収されるとき、驚嘆の嵐に見舞われる。開いた口が塞がらなくなった1冊。きっとあなたは、すでに騙されている。 2023.10.28 ├ 下村敦史
├ 周木律 【読書】周木律『五覚堂の殺人』 宮司百合子は、同じゼミの志田悟の付き添いで、建築科の沼四郎が建てた五覚堂を訪れる。五覚堂では、悟の祖父・幾郎の遺言状が公開されることになっていた。遺言状では、財産の8割を長男に、残りの2割を次男と三男に遺すという文言とともに、遺言状の発効は公開30時間後、その間五覚堂から出ることも、外部と連絡を取ることも禁止するとされていた。しかし、五覚堂にある密室の小礼拝堂内で、長男の正胤と正胤の娘・万里が殺害されてしまう。 2023.10.27 ├ 周木律
▼著者 ア行 【読書】岡嶋二人『そして扉が閉ざされた』 毛利雄一、成瀬正志、影山鮎美、波多野千鶴の4人は、3ヶ月前、三田咲子の別荘に招かれたが、仲違いから咲子が車で別荘を飛びだし、崖から転落死するという事故が発生した。咲子の母・雅代に呼び出された4人は、別荘の地下に作られた核シェルターに閉じ込められてしまう。そして、トイレの壁には、赤いペンキで「お前たちが殺した」と書かれていた。 2023.10.26 ▼著者 ア行
▼著者 タ行 【読書】筒井康隆『ロートレック荘事件』 夏の終わり、木内文麿が所有する別荘に、若い男女が招かれた。別荘の名は〈ロートレック荘〉。別荘内には、画家ロートレックの作品が飾られている。しかし、その夜、二発の銃弾がこだまする。殺害されたのは牧野寛子。さらに、警察による事情聴取中にも、木内典子が殺害されてしまう。 2023.10.24 ▼著者 タ行
├ 赤川次郎 【読書】赤川次郎『死者の試写会へようこそ』 映画のスニークプレビューで放映されたのは、15年前に発生した殺人事件をモデルにした作品。1時間を過ぎたころ、「こんなこと――誰も知らないはずだ! どうしてだ!」と叫びながら、観客の1人が飛び出していった。 2023.10.22 ├ 赤川次郎
├ 才羽楽 【読書】才羽楽『君の思い出が消えたとしても』 駅前で道に迷っている老婦人を助けた遠藤達也は、丘の上で女性と出会う。彼女は、月尾夢奈という女性の身体を借りた〈思い出コーディネーター〉だと言う。夢奈曰く、達也は1ヶ月後の8月31日に死ぬことになっているが、良い思い出と引き換えに、寿命を延ばすことができるという。達也は夢奈とともに、良い思い出作りや、過去の後悔を晴らす行動を起こす。 2023.10.21 ├ 才羽楽
├ 小路幸也 【読書】小路幸也『スタンド・バイ・ミー』 『あなたのおなまえなんてぇの』すずみが、古本屋〈東京バンドワゴン〉の中でも、相当古い比較的お高い本が並んだ棚の中の本の並び順が、入れ替えられていることに気づいた。翌日も、紺がご婦人が立ち去ったあとに棚を見ると、また本が並べ替えられていた。さらに、買い取った本を確認していると、裏表紙の内側に紙が貼られていて、それを剥がすと「ほったこん ひとごろし」と書かれていた。 2023.10.20 ├ 小路幸也
└ 中山七里 【読書】中山七里『秋山善吉工務店』 秋山雅彦、太一の兄弟は自宅が全焼し、母・景子とともに焼け出された。1人2階で寝ていた父・史親は焼死。3人は、工務店を営む史親の実家の世話になることを決める。史親の父・善吉は、無愛想な態度にべらんめぇ口調、古色蒼然とした考えを持つ雷オヤジ。景子は善吉の家を出て、3人で新たな家庭を作ることを考えるが、なかなかうまくいかない。さらに、警視庁の刑事・宮藤が、景子に放火の疑いの目を向ける。 2023.10.19 └ 中山七里
├ 大倉崇裕 【読書】大倉崇裕『夏雷』 探偵事務所を辞め、便利屋になった倉持に、槍ヶ岳に登れるようにして欲しいと依頼があった。依頼してきたのは50代前半とみられる山田。山田はなぜ山岳会やスポーツジムに入らず、倉持に依頼してきたのか?槍ヶ岳に登る理由を聞いても、山田は答えてくれない。また、倉持自身にも、長年山から目を背けてきた理由があった。 2023.10.16 ├ 大倉崇裕
├ 小路幸也 【読書】小路幸也『花咲小路一丁目の刑事』 刑事になった赤坂淳は、祖父母が和食屋を営む花咲小路へ帰ってきた。非番の日になると、淳は祖母からご近所さんの悩み事を持ちかけられる。自宅で餌を食べなくなった猫の話や、亡くなった先代から届く手紙など…時に、ストリートミュージシャンのミケさんや、〈松宮電子堂〉の北斗くんらの力を借りながら、淳は小さな謎を解き明かしていく。 2023.10.14 ├ 小路幸也
└ 米澤穂信 【読書】米澤穂信『犬はどこだ』 紺屋長一郎は、犬探し専門の調査事務所〈紺屋サーチ&レスキュー〉を開設するが、開設から2日で2件の依頼が入った。1件は失踪した佐久良桐子を探しだして欲しいという祖父からの依頼。もう1件は神社に伝わる古文書の解析依頼。探偵に憧れる高校の後輩・ハンペーこと半田平吉と手分けし、さっそく調査に当たるが、桐子は過去に神社の古文書を調べた経歴の持ち主だった。 2023.10.13 └ 米澤穂信
└ 中山七里 【読書】中山七里『ワルツを踊ろう』 父が亡くなるのとほぼ同時に外資系の投資会社を辞めた溝端了衛は、故郷の依田村滝川地区へUターンしてきたが、閉鎖的な地区の住民らとの関係に悩んでいた。滝川地区で生産される無農薬野菜をブランド化し、インターネットで販売するというプロジェクトを提案する。しかし、不揃いな見た目の野菜は返品の嵐。その責任を了衛は押しつけられる。 2023.10.10 └ 中山七里
├ 才羽楽 【読書】[オススメ]才羽楽『カササギの計略』 僕が帰宅したとき、アパートの部屋の前に座っていた美女は、かつての約束を果たすためにやってきたというが、僕は彼女の顔に見覚えがない。突然とんでくる平手打ち…しかも、彼女は難病に冒され、余命がわずかだという。最後に涙腺崩壊!と思いきや、新たに生まれる謎。そこに、この作品がミステリであることを思い出させてくれます。第15回『このミステリーがすごい! 』大賞の隠し玉! 2023.10.08 ├ 才羽楽
├ 周木律 【読書】周木律『双孔堂の殺人』 Y湖畔にそびえる〈ダブル・トーラス〉という名の、大きな鍵の形をした建物。ここに、数学者らが集まった。しかし、建物の主・降脇一郎が書斎で、鰐山豊が客室でそれぞれ殺害されてしまう。双方の部屋は密室になっており、書斎の中には、凶器の銃を持った十和田只人が倒れていた。妹に頼まれ、十和田のサインをもらうために〈ダブル・トーラス〉を訪ねた警察庁の宮司は、偶然事件に巻き込まれることになるが… 2023.10.04 ├ 周木律
├ 島田荘司 【読書】島田荘司『斜め屋敷の犯罪』 北海道の最北端、宗谷岬に建つ通称〈斜め屋敷〉。母屋の床は5~6度傾いており、母屋の隣りに建つ塔はピサの斜塔と同じだけ傾いている。クリスマスの夜、館の主人・浜本幸三郎の仕事関係者らが招かれたが、翌朝、招待客の菊岡栄吉の運転手・上田一哉が密室で殺害されているのが発見される。さらに翌日、4名もの刑事が館内に泊まり込んだにも関わらず、今度は菊岡が殺害されてしまう。 2023.09.28 ├ 島田荘司
└ 中山七里 【読書】中山七里『テロリストの家』 警視庁公安部に勤める幣原勇一郎は、日々テロとの関係が疑われる者の監視活動を行っていた。しかし、ある日突然、内勤を言い渡される。そして、イスラム国の志願兵の求人を行っていた、秋葉原にある防犯グッズ店に公安の捜査が入った日の夜、幣原の家を同僚の高頭が訪ねてくる。長男で大学院生の秀樹を、志願兵の求人に応じた者として、逮捕するというのだ。 2023.09.27 └ 中山七里
▼著者 ハ行 【読書】深水黎一郎『ミステリー・アリーナ』 唯一の道路にかかる橋が大雨で流され、陸の孤島となった屋敷に、ミステリー研のOB、OGが集まった。しかし、屋敷の主である鞠子が自室で殺害されてしまう――。このミステリーを読みながら、最も早く真実に辿り着いた者には多額の賞金が用意されている、大晦日のテレビ番組『ミステリー・アリーナ』。14人のミステリーオタクたちが挑むが、果たして正解者は現れるのか? 2023.09.26 ▼著者 ハ行
├ 周木律 【読書】周木律『眼球堂の殺人』 世界的建築家・驫木煬が建てた、名前のとおり眼球を模した私邸〈眼球堂〉に、5人の著名な学者、芸術家、政治家と、編集者が招待された。そして、その中の1人、数学者の十和田只人にくっついてやって来た駆け出しのルポライター・陸奥藍子を加えた人々が、山の中に立てられた〈眼球堂〉に、3日間滞在することになる。しかし翌朝、驫木が敷地内にある高さ10mのポールの先端に刺さっているのが発見される。さらに3日目の朝、物理学者の南部耕一郎が銃殺され、政治家の黒石克彦が転落死しているのが発見される。 2023.09.24 ├ 周木律
└ 東野圭吾 【読書】東野圭吾『あなたが誰かを殺した』 別荘地で男女6人が刺され、5人が死亡する連続殺傷事件が発生した。次の夜、自首した無職の桧山大志が逮捕されたが、桧山は黙秘を貫き、事件の詳細は謎のままだった。そこで、被害者の遺族らが集まり、検証会を行う。夫を殺害された鷲尾春那の同行人として、休暇中の警視庁捜査一課の警部・加賀恭一郎が参加する。 2023.09.23 └ 東野圭吾
├ 知念実希人 【読書】知念実希人『硝子の塔の殺人』 科学者にして大富豪、そしてミステリフリークの神津島太郎が、ミステリの歴史が根底から覆される発表を行うために、6人の客を〈硝子の塔〉に招待した。医師の一条遊馬は、その発表前に神津島の部屋を訪ね、フグ毒を飲ませて殺害する。予定外の出来事はあったものの、遊馬は神津島の部屋を密室にして、他の客人に紛れ込むことに成功する。しかし、翌朝、執事の老田真三がダイニングで殺害されているのが発見される。遊馬は、老田殺しの犯人に神津島殺しの罪も着せてしまおうと、名探偵の巴円香の助手を買って出る。 2023.09.18 ├ 知念実希人
├ 赤川次郎 【読書】赤川次郎『向日葵色のフリーウェイ 杉原爽香50歳の夏』 杉原爽香は、かつての恩師・河村布子から、布子の知人で元保健室の先生・小川久子の娘について相談を受ける。久子の娘・智子は殺人罪で服役中だが、冤罪ではないかというのだ。また、久子が勤めていた学校の同窓会に参加した日下邦弥は、当時のマドンナ・水科玲美と再会し、恋の炎が再び燃え上がるが、玲美から怪しい副業を持ちかけられる。 2023.09.16 ├ 赤川次郎