ミステリー

├ 下村敦史

【読書】下村敦史『コープス・ハント』

女性8人の連続殺人の罪で死刑判決を受けた浅沼聖悟は、判決を聞き終えたあと、1人は俺の犯行じゃない。真犯人のうちの1人は、俺が殺して思い出の場所に隠したと叫んだ。浅沼が名指しした水本優香の事件で、別の3人に目をつけていた刑事の折笠望美は、再び動き出す。一方、中学校に馴染めず、ユーチューバーとして成功を目指している福本宗太は、人気ユーチューバーのにしやんから、遺体探しの企画を持ちかけられる。
▼著者 ア行

【読書】乾緑郎『完全なる首長竜の日』

漫画化の和淳美は、15年続いた連載が、新編集長の方針の下、打ち切りとなってしまう。その淳美には、自殺未遂を図って植物状態になった弟の浩市がいたが、植物状態になった患者とコミュニケーションがとれる〈SCインターフェース〉を介してセンシングを続けていた。しかし、浩市はいつも自殺という方法を用いて一方的にセンシングを終了してしまう。
▼著者 サ行

【読書】塩田武士『罪の声』

大日新聞文化部の阿久津英士は、年末企画『ギン萬事件――31年目の真実――』の担当として、社会部に借り出される。ギン萬事件は、かつて日本を震撼させた食品会社脅迫事件だが、迷宮入りのまま時効を迎えていた。一方、京都でテーラーを営む曽根俊也は、自宅で古いカセットテープを見つける。テープに吹き込まれていたのは俊也の子供の時の声で、ギン萬事件で犯人が使用した音声だった。
├ 知念実希人

【読書】知念実希人『優しい死神の飼い方』

人間の死後の魂をあの世へ送る手助けをしている死神のレオは、未練を持って死に、地縛霊となって地上に残る魂が多いことを理由に左遷され、犬の体を借りてホスピスで人間の未練を解消する役割を与えられた。戦時中の悲恋や、洋館で起きた殺人事件など、ホスピスで過ごす人間たちの未練を消すため、レオが奮闘する。
├ 早坂吝

【読書】早坂吝『しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人』

しおかぜ市で、両親と娘の一家3人が殺害され、現金5000万円が盗まれる事件が発生した。一方、名探偵の死宮遊歩は、迷路の中の1室で目を覚ました。迷路の中に閉じ込められたのは7人。この中に6件の未解決事件の犯人が含まれており、犯人の部屋の金庫には、それぞれの事件で使用された凶器が収納されているという。残りの6人を殺害し、最後に残った1人のみが迷路から脱出できるというが…
└ 中山七里

【読書】中山七里『護られなかった者たちへ』

居住者がいなくなったアパートの一室で、福祉保険事務所に勤める三雲忠勝の死体が見つかった。三雲は両手両足を拘束された上で口を塞がれ、餓死させられていた。さらに、農機具小屋の中で、県議会議員の城之内猛留が同様の手口で殺害されているのが見つかる。三雲も城之内も、善人で、人格者であるという評判が高かった。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『フロム・ミー・トゥ・ユー』

堀田藍子と紺の異母弟・青が堀田家へやって来た日の話〈東京バンドワゴン〉の主人・勘一が幼馴染みの見舞いに行く話紺と亜美の出逢い…「東京バンドワゴンシリーズ」を飾る面々のエピソード集
├ 水原秀策

【読書】水原秀策『サウスポー・キラー』

球界きっての人気球団・オリオールズの2年目左腕・沢村航が、八百長の疑惑をかけられた。沢村は自宅謹慎後、2軍に降格となるが、証拠のない疑惑であったことや、投手の駒不足から、再度1軍へ呼ばれる。しかし、1ヶ月のブランクを経ての1軍での先発試合を前に、球団に再度沢村の八百長を告発するメールが届けられる。
├ 貴志祐介

【読書】貴志祐介『青の炎』

湘南の高校に通う櫛森秀一は、母と妹との3人暮らし。しかし、母が10年前に再婚し、すぐに別れた元継父・曾根隆司が家に転がり込み、酒と博打に溺れる生活を送っていた。このままでは、母や妹の身に危険が迫る。秀一は、曾根を殺害するための完全犯罪を計画する。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『花咲小路一丁目の髪結いの亭主』

専門学校を出た谷岡せいらは、花咲小路商店街にある理髪店〈バーバーひしおか〉に飛び込みで雇ってもらった。〈バーバーひしおか〉では、奥さんのミミ子が髪を切っていて、旦那さんの凌次郎は店のソファに腰掛けて雑談に耽っている。そんな凌次郎のもとに、借金の形に預かったペンダントを見て欲しいという依頼が舞い込む。
├ 秋吉理香子

【読書】秋吉理香子『放課後に死者は戻る』

高校生の小山のぶおは、学校の机に入れられていた手紙で三浦海食崖に呼び出され、崖から突き落とされた。そして、病院で目覚めたとき、のぶおは一緒に落ちた高橋真治の体に乗り移っていた。のぶおを突き落としたのは、クラスの誰か。真治の体を借りたのぶおは、のぶおが通っていた高校に転入し、犯人捜しをはじめる。
├ 拓未司

【読書】拓未司『禁断のパンダ』

〈ビストロ・コウタ〉のオーナー兼シェフ・柴山幸太は、妻・綾香の友人の結婚式に出席することになった。披露宴が行われるのは、神戸のグルメガイドブックで堂々の1位に君臨する〈キュイジーヌ・ド・デュウ〉。幸太は石国努シェフの味に魅了されてしまう。しかし翌朝、〈キュイジーヌ・ド・デュウ〉と取り引きのある運輸会社の社員・松野庄司の遺体が発見される。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『余白の迷路』

定年を過ぎ、図書館通いが日課になった三木忠志が住む公団のアパート近くで、ホームレスの女性が殺害された。女性の名は加納祥子、旧姓仁科祥子。三木の高校時代の同級生だった。しかも、ホームレスとして生活しなければならないような身分ではなく、医師の妻だったことがわかる。図書館で知り合った、学校に通えなくなってしまった女子高生・石元里織との即席54歳差コンビは、事件の真相を調べはじめる。
├ 周木律

【読書】周木律『鏡面堂の殺人』

たった1人の家族である兄・司を亡くし、悲嘆に暮れる宮司百合子のもとに、血縁関係上の姉である善知鳥神から電話がかかってきた。呼び出されたのは、森林公園の中にある巨大な建築物〈鏡面堂〉。百合子はある人物による手記を手渡され、ここで26年前に発生した殺人事件の謎を解けと挑まれる。
└ 中山七里

【読書】中山七里『翼がなくても』

陸上短距離を走る市ノ瀬沙良は、幼馴染みで隣の家に住む相良泰輔が起こした交通事故により、左脚の膝から下を切断することになってしまう。沙良は所属していた実業団を退職。パラリンピックを目指す道を選択する。そんな矢先、泰輔が自室で何者かに刃物で刺されて殺害される事件が発生する。
├ 島本理生

【読書】島本理生『ファーストラヴ』

テレビ局アナウンサーへの就職にチャレンジしている聖山環菜は、2次面接で失敗したあと、父で画家の聖山那雄人が勤める美術学校へ行き、包丁で刺し殺してしまう。テレビにも出演する臨床心理士の真壁由紀は、環菜のことを本にしないかと持ちかけられる。さらに、環菜の国選弁護人として、由紀の義弟・庵野迦葉が弁護を担当することになる。
▼著者 サ行

【読書】雫井脩介『検察側の罪人』

蒲田で老夫婦が殺害される事件が発生した。殺害された男性は、競馬仲間らに金を貸しており、その中に23年前に発生し、時効となった少女殺害事件の重要参考人・松倉重生が含まれていた。少女の両親が管理人を務めていた寮に学生時代住んでいた検察官の最上毅は、松倉を今度こそ法の下で罰するため、執拗に責め立てる。
├ 秋吉理香子

【読書】秋吉理香子『暗黒女子』

聖母女子高等学院文学サークルを復活させ、会長に就いた白石いつみが、新館校舎テラスから転落して死亡した。いつみの手には、スズランの花が握られていた。いつみの死後に開かれた定例会では、闇鍋を食べながら、会員が1人ずついつみの死をテーマにして執筆した短編小説を朗読していくことになった。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『レディ・マドンナ』

『雪やこんこあなたに逢えた』東京の下町にある古本屋〈東京バンドワゴン〉に、変わった客が現れた。現代作家の作品が並ぶ棚の同じ場所から、十数冊まとめて買っていくのだ。さらに、状態の良い古書を、1冊ずつ買い取りに持ち込む客も…彼らは何者で、何が目的なのか?
├ 下村敦史

【読書】下村敦史『失踪者』

真山道弘は、樋口友一とともにシウラ・グランデ峰の西壁を極めようとしていたが、吹雪に見舞われ、結果的に樋口はクレバスへ転落してしまった。10年後、真山はふたたびシウラ・グランデ峰を訪れ、樋口の遺体を発見するが、その顔は、真山が最後に見た樋口のそれよりも老けていた。さらに、所持品の中には、5年前に発売された装備が混じっていた。
├ 歌田年

【読書】歌田年『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』

"紙鑑定士"の渡部圭の事務所に、"神探偵"と間違えた米良杏璃が、カレシの浮気の相談にやってきた。杏璃のカレシが捨てた財布の中から見つかった紙片から、カレシが外国人パブに入れ込んでいることを突き止めた渡部だが、今度は杏璃から、妹が行方不明になっているという曲野晴子を紹介される。
▼著者 ア行

【読書】安生正『生存者ゼロ』

根室沖に浮かぶ石油掘削プラットフォームからの連絡が絶たれた。嵐の中プラットフォームへ降り立った陸上自衛隊の廻田三佐は、職員全員が死亡しているのを発見する。感染症学者の富樫は感染源の究明にあたるが、同業者からの抵抗を受けている内に、北海道本土で同じ悲劇が繰り返されてしまう。
├ 大倉崇裕

【読書】大倉崇裕『冬華』

月島で便利屋をしている倉持と、3ヶ月前から一緒に仕事をしていた深江が、何も言わずに姿を消した。倉持は心あたりをあたって、深江が奥穂高岳へ向かったと確信する。一方、1人で山小屋で暮らして猟をしている植草は、熊本と名乗る人物から、人を撃って欲しいと依頼される。
├ 貴志祐介

【読書】貴志祐介『狐火の家』

西野真之の娘・愛美が自宅の中で殺害された。死亡推定時刻は、真之が発見する30分前、プラスマイナス30分。自宅が密室状態だったこともあり、第1発見者の真之が参考人として事情を聞かれる。地元弁護士から依頼を受けた弁護士の青砥純子は、防犯コンサルタントの榎本径とともに、密室の謎に挑む。