ミステリー

├ 東川篤哉

【読書】東川篤哉『博士はオカルトを信じない』

妻が所長を務める探偵事務所で働く父・登に連れられて、中学生の丘晴人は、父の恩人の宮国年雄の娘・美和子の見舞いに訪れる。美和子は不調の原因が見当たらないのに、ベッドから起き上がれないでいた。それを祟りだという年雄の義姉・坂口雅江がお祓いをすると、美和子の口から亡くなった母の声が飛び出し、症状が改善した。後日、晴人はひょんなことから訪れた〈ひらめき研究所〉の所長・暁ヒカルにこの時の体験を話す。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』

『春 花も嵐も実の生る方へ』古書店〈東京バンドワゴン〉が、かつて1度だけ作ったことがある目録、通称〈呪いの目録〉のことを探って回っている男がいると、東京古本組合の大沼岩男が教えに来てくれた。一方、亜美の義妹で女優の折原美世が、役作りのために蜷川女子大学で見た資料の中に、〈東京バンドワゴン〉創設者の堀田達吉の名前があったのだが、その資料が紛失してしまったという。
├ 大倉崇裕

【読書】大倉崇裕『犬は知っている』

笠門達也巡査部長は、ファシリティドッグのピーボと共に病院を訪問し、動物介在療法を行うことを仕事にしている。特に、刑務所や拘置所から重病を患って入院してきた患者から本音を聞き出すことも重要な役割だ。今回ピーボが話を聞いたのは、大腸がんで余命半年と診断された強盗犯の橋本金治。橋本はピーボに、1度だけ殺人の現場を見たことがあると話しかける。
├ 湊かなえ

【読書】湊かなえ『白ゆき姫殺人事件』

雑木林の中で、化粧品会社の女性社員が刃物で十数ヶ所刺された上、灯油をかけて焼かれているのが見つかった。『週間太陽』の記者・赤星は、独自取材を進め、同じオフィスで働く城野美姫が犯人であると確信。2人の周囲の人間から話を聞き、裏付け取材を行う。
└ 米澤穂信

【読書】米澤穂信『可燃物』

ゴミ集積所に置かれた可燃ゴミが燃やされるという連続不審火が発生した。県警から派遣されたのは、捜査一課の葛班。班を率いる葛警部は、ゴミ集積所に部下を張り込ませ、不審人物の洗い出しを行うが、どれも決め手に欠ける。
├ 早坂吝

【読書】早坂吝『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』

アウトドアが趣味の区職員・沖健太郎は、オフ会で小笠原諸島にあるプライベートアイランド・再従兄弟島を訪れる。再従兄弟島には、事故で家族を失い、自らも顔に大ケガを負ってマスクを被っている黒沼重紀と、オフ会が縁で再婚した深影夫妻が暮らしていた。しかし、沖らが訪れた日の夜、深影はオフ会の参加者・浅川文則と駆け落ちしてしまう。さらに、サイトの運営者・成瀬瞬も、島の洞窟で殺害されてしまう。
├ 秋吉理香子

【読書】秋吉理香子『殺める女神の島』

『ミューズ・オブ・ジャパン』のファイナリスト7名は、モルディブからクルーザーで5時間の場所にあるリゾートアイランドで、ビューティーキャンプと呼ばれる美の特訓合宿に参加することになった。しかし、合宿初日、『ミューズ・オブ・ジャパン』の主催者であるミスター・クリスが頭を殴られ、意識不明の重体になった。さらに翌日、ファイナリストの1人・まりあが部屋で殺害されているのが発見される。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『札幌アンダーソング』

尻に野菜を刺し死亡するという事故死が2件続いていた。そして今度は、内臓破裂のあと、肛門からゴーヤが差し込まれるという事件が発生した。北海道警捜査1課の根来康平は、部下の仲野久とともに、志村春のもとを訪ねる。春は、3件の遺体の発見現場が正三角形を描いているとともに、身体の形が”Y”、”E”、”S”になっていることに気づく。
├ 横関大

【読書】横関大『ルパンの帰還』

実家は老舗の探偵事務所。"昭和のホームズ"と呼ばれた祖父と"平成のホームズ"と呼ばれた父を持つ北條美雲は、警視庁採用試験を受け、捜査1課の刑事になった。美雲の教育係は、警察一家に生まれた桜庭和馬。コンビ結成早々、美雲の持ち前の推理力で事件を1つ解決したと思ったら、和馬のパートナー・華と娘の杏が乗ったバスがジャックされてしまう。
├ 辻村深月

【読書】辻村深月『朝が来る』

栗原清和、佐都子夫妻は、不妊治療を断念し、特別養子縁組という制度を用いて子供を授かることを決めた。夫妻のもとへやってきたのは、中学生の少女が出産した男の子。この子に、朝斗という名をつけ、養子であることを隠さずに育てるが、朝斗が6歳になったとき、子供を返してほしいという電話がかかってくる。
├ 下村敦史

【読書】下村敦史『法の雨』

”無罪病判事”との異名をつけられた裁判官・嘉瀬は、暴力団松金組組長殺害事件の2審で無罪を言い渡し、判決理由を読み上げている途中に倒れた。一方、嘉瀬の孫・幸彦は、念願の医大に合格したが、入学金を祖父の口座から引き落とそうとしたところ、重度の痴呆症を理由に断られてしまった。嘉瀬の妻・君子は、夫の職場関係の人物を名乗る男から、成人後見人制度の利用を勧められるが、これにより、さらに自由に金を引き出せなくなってしまう。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『ヒア・カムズ・ザ・サン』

古書店〈東京バンドワゴン〉で、夜の内に書架の本が数冊床に落ちるということが発生する。さらに、女性陣が白い幽霊を見たという。一方、遺品整理をしていたら、〈東京バンドワゴン〉の値札が貼られた古書が出てきたと言って、男性が訪ねて来た。
├ 一色さゆり

【読書】一色さゆり『神の値段』

マスコミはおろか、ギャラリーのスタッフの前にも顔を出さない現代画家・川田無名。この謎の画家の作品を一手に扱うギャラリーのオーナー・永井唯子が、ギャラリーが持つ倉庫の中で首を絞められて殺害された。スタッフの田中佐和子は、生前唯子が香港のオークションに出品しようとしていた無名の1959年の作品を、彼女の遺志どおりに販売するため、唯子の代役となって身を粉にして働くが…
└ 米澤穂信

【読書】米澤穂信『栞と嘘の季節』

図書委員の堀川次郎がカウンターの当番をしているときに、『薔薇の名前』という本の下巻が返却箱に入れられた。返却された本の間に忘れ物がないか確認していたところ、押し花をラミネート加工した栞が挟まれていた。その花を見て、同じく図書委員の松倉詩門は、トリカブトの花であることに気づく。さらに、生徒指導部の横瀬がトリカブトの毒の症状で救急搬送される。
├ 歌田年

【読書】歌田年『紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪』

コスプレを趣味にする男性・張本善浩が自宅で殺害された。窓ガラスをハンディ・バーナーで焼き切られ、自宅の一部も焼かれていた。警察は、かつて三角関係にあった春美真久を容疑者として取り調べるが、神奈川県警の石橋和男刑事は、かつてから面識のある春美の犯行には思えないという。
├ 水原秀策

【読書】水原秀策『裁くのは僕たちだ』

高尾慎一は、衆議院のマドンナ・藤沢杏子が夫を殺害したとされる裁判の裁判員になった。高尾が公園のベンチに座っていると、となりに若い女性が座り、突然、無罪と主張するために金銭を寄こせと要求するのは卑劣だと糾弾された。注目の高い裁判だけに、裁判員を買収しようとする動きが実際にあるらしい。高尾は自分の信念に基づいて、真偽を見極めようとするが…
├ 新川帆立

【読書】新川帆立『倒産続きの彼女』

弁護士の美馬玉子が勤める弁護士事務所は、倒産の危機にあるアパレルメーカーのゴーラムの対応を行っていた。そこに、経理部の近藤まりあが勤める会社がこれまで3社すべて倒産しているとの通報が寄せられた。玉子は、先輩弁護士の剣持麗子と共に、怪文書への対策にあたる。
▼著者 ア行

【読書】小川哲『君のクイズ』

生放送のクイズ番組『Q-1グランプリ』。7点先取の決勝戦は6対6で最終問題にもつれ込んだ。三島玲央が対する本庄絆は、問題が読まれる前に早押しボタンを押し、正解を導き出した。これはやらせなのか?三島は本庄との対決を振り返る。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『暗殺』

入試の日の朝、工藤麻紀は大学の最寄り駅で、竹内貞夫が射殺されるのを目撃するが、試験開始に間に合わないと思い、その場を立ち去る。その後、麻紀が見たのと別人が犯人として逮捕されるが、きっかけを失った麻紀は、警察に目撃証言を行えずにいた。一方、温泉旅館で仲居として勤める佐伯芳子のもとには、10年前に別れた竹内から、少女の服が届けられていた。
├ 貴志祐介

【読書】貴志祐介『鍵のかかった部屋』

高校生の高澤大樹が練炭自殺を図った。偶然高澤家を訪れていた叔父の会田愛一郎は、サムターン回しを得意とする空き巣狙いだったが、5年間の懲役を経て出所してきたばかりだった。大樹の部屋にかけられたサムターン錠を愛一郎が特技で解錠し、部屋の中へ入ったが、ドアや窓にはテープで目張りがされており、完全な密室状態だった。会田は旧知の仲である防犯コンサルタントの榎木径に紹介され、弁護士の青砥純子に相談を持ちかける。
├ 横関大

【読書】横関大『ルパンの娘』

図書館で勤務する三雲華は、交際相手である桜庭和馬の実家に連れて行かれた。しかし、公務員としか聞かされていなかった和馬の職業は刑事。さらに、祖父母に両親、妹まで全員警官の警察一家だった。実は、華の家族は泥棒一家。交わることを許されない禁断の恋に、華は苦悩する。
├ 秋吉理香子

【読書】秋吉理香子『自殺予定日』

母を亡くし、父を亡くした女子高生の渡辺瑠璃は、父を殺した継母のれい子を告発するために、自殺の名所になっている山奥で首を吊ろうとするが、枝が折れて失敗してしまう。そこに現れたのが、幽霊の裕章。裕章は、期限をつけてれい子の殺害の証拠を見つけようと提案する。こうして、瑠璃の自殺予定日が、6日後に設定された。
├ 湊かなえ

【読書】湊かなえ『告白』

「愛美は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたからです」終業式の日のホームルームで、担任の森口悠子が生徒たちの前で衝撃の告白を行った。森口の4歳の愛娘・愛美は、1ヶ月前に学校のプールに浮いているのを発見された。視点を、被害者の母親、クラスメイト、加害者の家族、加害者と入れ替えながら、事件の細部を明らかにしていく。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『オール・ユー・ニード・イズ・ラブ』

下町の古書店〈東京バンドワゴン〉に、脚本家の岸田安見がやってきた。偶然にも、安見は近所に住む増谷裕太の、高校の同級生だった。その安見が、フェアとして並べていた川田鉄の作品をすべて欲しいと言う。一方、小学生の名塚のぞみが、本を売りたいとやってくる。勘一は、本は買い取らずに、親への手紙と百円をのぞみに渡す。我南人がのぞみのあとをつけると、コンビニでお菓子を買ったあと、寒い公園で1人本を読んでいたという。