芥川龍之介賞候補にもなった、直木賞作家島本理生の初期の名作。
島本理生さんの『生まれる森』を読みました。
あらすじ
わたしは、大学1年生の夏休みを、実家に帰省する加世ちゃんの部屋で過ごすことにした。
高校3年生のときに子どもを堕ろした経験のあるわたしは、夏休みの間中自宅で過ごすのが嫌だったのだ。
そんな時、高校時代の友人であるキクちゃんからキャンプに誘われる。
キクちゃんは兄と弟の3人兄弟だったが、わたしとキクちゃんの兄・雪生さんの距離は徐々に近づきはじめる。
感想
大学1年生というと、まだ10代ってことになりますが、わたしこと野田さんはなかなか恋愛経験が豊富な女の子。
でも、ただの恋愛ではなく、かなり複雑な恋愛をしてきているんですよね。
だから、雪生さんとの距離感もつかめないし、態度も決められない。
それもすべて、高校時代の複雑な恋愛経験が原因。
ちょっと、自分と重ね合わせてしまったりもしました。
私は、中学3年生の時に、なぜかまともに話したことすらない1人の女子とその取り巻きから徹底的に嫌われてしまって、”女子不信”に陥ってしまいました。
高校は工業高校だったので、クラスに女子は0人。
その”女子不信”を引きずったまま大学に進学したのですが、やっぱり工学部だったので女子は数人。
その中の1人と仲良くなったのですが、距離感がわからないというか、嫌われているんじゃないかっていう思いが強くて、今から思えば…というような経験をしたことがあります。
恋愛小説と言われて思い描く内容とは異なるかも知れませんが、これはこれで面白かったのかなと思いました。
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