米澤穂信さんの『さよなら妖精』を読みました。
高校生の守屋路行と太刀洗万智は、雨宿りをしている少女を見つけた。
少女の名前はマーヤ。ユーゴスラヴィヤから日本にやってきたのだが、世話をしてくれるはずの人物が亡くなっており、途方に暮れていた。
守屋と太刀洗は、友人の白河いずるの親が経営する民宿を紹介する。
文原竹彦を加えた4人は、マーヤに日本の町を案内する。
マーヤがユーゴスラヴィヤに帰国して1年。
紛争の真っ直中にあるユーゴスラヴィヤにおいて、マーヤはどこに住んでいるのか?無事なのかの手がかりを得るため、守屋と白河が1年前の記憶を呼び起こすという形で話が進んでいきます。
米澤穂信さんの作品らしく、日常の小さな謎を解き明かしていくことになるのですが、ミステリとしての要素は希薄。
あくまでもマーヤと守屋たちの物語になっています。
物語終盤からラストに向けて、感情が高ぶっていく様子は秀逸。
ウクライナ侵攻が続く今読まされると、辛いなぁという思いもありますし、今だからと思うところも…
想像していたよりも重い読書になってしまいましたが、いろいろと考えさせられて、良い刺激になりました。
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