【読書】岩井圭也『完全なる白銀』

著者ア行 ▼著者 ア行

「完全なる白銀を見た」
新鋭の女性登山家リタ・ウルラクは、地球温暖化により沈みいく故郷サウニケの現状に目を向けてもらうため、北米最高峰デナリに冬季単独行を計画するが、下山中に消息を絶った。
リタの幼馴染みシーラと旧友で写真家の藤谷緑里は、リタが登頂に成功したことを証明するため、冬のデナリに挑む。

岩井圭也さんの『完全なる白銀』を読みました。

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あらすじ

アラスカの小さな島サウニケは、地球温暖化の影響で海に浸食されている。
現状に目を向けてもらうため、サウニケ出身の女性登山家リタ・ウルラクは、北米最高峰デナリの冬季単独行に挑んだが、下山途中に消息を絶った。
マスコミがリタのことを「冬の女王」ではなく「詐欺の女王」と書き立てたことに心を痛めたリタの幼馴染みシーラと旧友の藤谷緑里は、デナリに挑み、リタの登頂を証明しようとする。

感想

山岳小説が好きなんですよね。
困難に立ち向かう姿が好きなのか、それとも男の子の心が忘れられないのか…
まぁ、私の場合、良い意味で若いのではなく、悪い意味で幼いだけなのですが…

私は足首、膝にケガを抱えているため、登山ができないのですが(登れるのですが、下れません)、もしケガがなかったら、それこそ冬山に挑んで家族に心配をかけていたかも。
膝や足首にまっすぐ力が加わるだけの自転車では、乗鞍や富士山に3度ずつ登ったことがありますが、あの達成感はやみつきになりますね。
それが、冬のデナリと考えると…

物語の舞台となっているデナリですが、マッキンリーと呼んだ方がわかりやすいでしょうか。
植村直己さんが消息を絶った山としても有名ですよね。
現在は、現地での呼び方のデナリという呼び方が一般的なようです。

フィクションとはわかっていつつ、やっぱりハラハラドキドキさせられます。
物語の中に、読者をどれだけ引き込めるかが腕の見せ所なのでしょうが、そういう面でも優れた作家さんなんだなと感じました。

エピローグで、「どうして、そこまでして山に登るのかね」と訊ねられたシーラの答えが、なかなか良いなと思いました。
ジョージ・マロリーは「そこに山があるから」と答えたそうですが、シーラの答えもなかなか深くて良いですよ。

山岳小説がお好きな方、興味がある方はぜひ!

コメント

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