【読書】染井為人『正体』

著者サ行 ▼著者 サ行

平成最後の少年死刑囚・鏑木慶一が収容先の拘置所から脱走した。
鏑木は2歳の男児を含む一家3人を殺害した罪で死刑判決をうけていた。
日雇いや住み込みの仕事やなどをしながら潜伏を続ける鏑木にはある目的があった。
鏑木の目的とは? その目的は達せられるのか?
2024年に横浜流星主演で映画化された作品。

染井為人さんの『正体』を読みました。

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あらすじ

埼玉で2歳の男児を含む一家3人を殺害した罪で死刑判決をうけた少年死刑囚・鏑木慶一が、収容先の拘置所から脱走した。
建設中の東京オリンピックの会場、スキー場の旅館…
潜伏先を転々としながらタッチの差で警察の包囲網をかいくぐる鏑木には、逃走を続ける目的があった。

感想

2024年に横浜流星さん主演で映画化された作品です。

平成最後の少年死刑囚・鏑木慶一の逃走劇が描かれていて面白いのですが、このままだと唯の逃避行を描いた作品になってしまうなと思っていたところ、半分を折り返したあたりから鏑木の目的が少しずつ見えるように。
確かに話としては一層面白くなったと思うのですが、欲を言えば想像通りだったかな。
もうひとひねりあっても良かったかもしれません。

エンディングは、贅肉をギリギリまでそぎ落としたアスリートのような終わり方。
もっと詳しい話を聞きたいとも思いましたが、何が起きたのかがわかるギリギリのライン。
読後感は素晴らしく良かったですね。
このエンディングが、この作品の価値を高める1つの要因になっているのではないかと感じました。

2020年1月に刊行された作品なのですが、作品の中では当たり前のように東京オリンピック、パラリンピックが開催されたことに…
大きな事件や事故があったとしても、まさかオリンピックやパラリンピックの開催が1年先延ばしになるなんて、誰も想像しませんよね。
東京オリンピック、パラリンピックを過去のものとして見ている立場からすると、その点だけが違和感でした。

映画化されるのも納得の作品。
機会がありましたらぜひ。

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