私にとってスーツは戦闘服。常時着用し、日頃から面接時の言葉遣いを徹底しております。
ちなみに私は、就寝時も着用しております。
なお、私は常に就活から逆算して毎日を全身全霊で生きております次第でございます。
そんな蜂矢徹郎のことを、学生たちは「就活侍」と呼ぶ。
これは、蜂矢の就職活動と、突然聴講生としてゼミにやってきた50歳の”おじさん”たちの物語でございます。
安藤祐介さんの『就活ザムライの大誤算』を読みました。
あらすじ
大学生の蜂矢徹郎は、常に就職活動を見据えた行動をとり続けている。
講義にもスーツで出席し、丁寧な言葉遣いを欠かさない。
完璧な準備をしたはずの蜂矢だったが、いざ就活がはじまると、思いどおりの結果が出ず、壁にぶち当たってしまう。
感想
お初の作家さんです。
思ったより、読むのに時間がかかってしまいました。
1つは、蜂矢の馬鹿丁寧な話し言葉にペースを乱されてしまったのかなと…
中学3年生の時から、就活が人生最大の勝負だと思って準備を進めてきた蜂矢。
大学には首席入学、1年次、2年次も学年首席で、奨学金をもらいながら大学に通い、来たるべき日に備えているのですが、ちょっと違うんですよね。
まず、目標を就活での内定獲得に置いてしまっている。
将来の夢としては、エネルギー関係の仕事をしたいと思っているようですが、あくまで大手商社五社に入るのが目標。
よく、偏差値の高い大学に入ることを目標にしていて、いざ入学してしまうと目標を見失ってしまう、燃え尽き症候群にならないかと不安になってしまいます。
また、同じ企業にエントリーしている就活生たちを敵としてみてしまうこと。
そのため、インターンのグループワークなどでボロが出てしまうんですよね。
さらに、周り全員が敵に見えてきて、採用担当者までもが敵に見えてしまう…
まぁ、私も偉そうなことは言えないんですけどね。
インターンが積極的に行われるようになったのは、私よりも下の世代からじゃないかな。
地方大学だったってこともありますが、インターンを就活の一環としては見ていなかったと思います。
むしろ、大学のオープンキャンパスみたいな感覚?
また、私は2社を受けただけで就活を終えましたし、いわゆるリクルートスーツも買わず、面接時も普段のスーツ(パソコン教室でアルバイトをしていました)を着ていきました。
もう1社、練習がてら受けていたら、人生変わっていたかな?とも思いますが、どちらに転んでいたかはわかりません。
むしろ、人生に分岐点をつけるのであれば、中1の春ですね。
あそこに戻れるのであれば、人生を好転させる自信はありますが、後の祭りというやつです。
話が脱線してしまいましたが、蜂矢が優秀であることは間違いないようです。
良い仲間に恵まれたということもありますが、失敗をした後、きっちりと軌道修正をしています。
彼の学力、知力に柔軟性が加われば、良い仕事をするのではないでしょうか。
ちなみに、文庫化されるときに『選ばれない人』というタイトルに改題されたそうですが、私は『就活ザムライの大誤算』の方が良いと思うな。
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