【読書】拓未司『恋の病は食前に』

拓未司 ├ 拓未司

横手やきそば(秋田県横手市周辺)、姫路おでん(兵庫県姫路市周辺)、シロコロ・ホルモン(神奈川県厚木市周辺)、肉巻きおにぎり(宮崎県・熊本県)、イタリアンスパゲッティ(愛知県名古屋市周辺)。
一目惚れしやすいグルメ評論家が、全国各地のB級グルメと女性に恋をする。

拓未司さんの『恋の病は食前に』を読みました。

あらすじ

『麗しの横手やきそば』
大衆週刊誌の編集者・奥田健二は、転職することになった前任者から、料理評論家・草刈春男の連載『古今東西、美食の極み』を引き継ぐことになった。
しかし、5万円の超高級ステーキセットの焼き具合が気に入らないと春男がへそを曲げてしまい、後輩に聞いた”美味い店”へ急遽春男を案内したのだが、そこは大衆食堂だった。
ところが、春男は店の娘・洋子に一目惚れしてしまい…

感想

横手やきそば、シロコロ・ホルモン、肉巻きおにぎりなど、日本各地のB級グルメをうまく取り入れた作品になっています。

私は、姫路の隣の市で育ち、姫路市内の高校に通ったため、当然姫路おでんも…と言いたいところなのですが、実は食べたことがありません。
両親が姫路周辺の生まれじゃないからなのかなぁ?
コンビニにも生姜醤油が置かれているとのことですが、コンビニでおでんを買わないしなぁ。

また、妻の実家は名古屋。
なのですが、イタリアンスパゲッティはまだ食べたことがないんです。
あんかけスパゲッティや味噌煮込みうどんは食べたことがあるんですけどね。
もちろん(?)、存在は知っているのですが。

自分に縁のある土地から2つも選ばれているにも関わらず、どちらも食べたことがないって、なんだか損した気分です。

はじめは主人公を張るのかと思われた、料理評論家の草刈春男の立場が、どんどん落ちていく様が、計算し尽くされたような感じがして、そういう視点でも楽しむことができました。


このほか、『姫路おでんの純情』、『シロコロ・ホルモンのすれ違い』、『肉巻きおにぎりの青春』、『イタリアンスパゲッティの目覚め』が収められています。

『姫路おでんの純情』
コンビニで働く吉仲耕平は、店にやってきた女性客に一目惚れしてしまった。
その女性は、おでんを購入する際に、生姜醤油はあるかと聞いてきた。

『シロコロ・ホルモンのすれ違い』
作家の蒼井ひとみは、偏屈な料理評論家を主人公にした作品を書きたいと考えていたところ、料理評論家の草刈春男を紹介される。

『肉巻きおにぎりの青春』
交通事故で父を亡くし、母と2人で暮らしている森山直也は、母が同窓会の日以降、仕事からの帰りが遅くなったことが気になっていた。
しかも、ベンツに乗ったデブでハゲたおっさんが直也を訪ねてきて…

『イタリアンスパゲッティの目覚め』
TVにも出演する森田武彦は売れっ子の料理家。
パン屋に勤める香織という彼女がいながら、ついつい別の女の子をつまみ食いしてしまう悪い癖がある。

コメント

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