一色さゆりさんの『嘘をつく器 死の曜変天目』を読みました。
あらすじ
人間国宝の候補に挙げられる京都鞍馬の陶芸家・西村世外の元で修行を積む早瀬町子は、窯出しの日に瑠璃色の光を放つ器に心を奪われた。
世界でも、日本に3点のみ残っているとされる「曜変天目」を、完全に再現していた。
その窯出しの翌日、世外は土の採掘場で殺害されてしまう。
現場には、世外と世外の息子・久作の足跡のみが残されていた。
感想
『神の値段』で、第14回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞を受賞した、一色さゆりさんの2作目です。
『神の値段』は絵画を扱った作品でしたが、今回は陶芸。
芸術分野全般に強い方なのでしょうか。
他の作品を見ても、芸術を取り上げられていますね。
『神の値段』と比べると、ぐいぐいと惹きつけられる感じが薄かったかなぁと思いました。
世外の殺人事件と、曜変天目の謎、どちらに焦点を合わせれば良いのかわからない部分が多く感じられたのがその原因でしょうか。
そう言えば、窯出しされた曜変天目の行方がわからないままになってしまっていたような…
とはいえ、この分野における知識量はずば抜けています。
今後も目を離せない作家さんですね。
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