濱嘉之さんの『院内刑事』を読みました。
あらすじ
福岡から東京へ向かう飛行機の中で、財務大臣の朝野が脳梗塞を発症した。
幸い、処置が早かったため一命をとりとめたが、病理検査で血圧の昇圧剤が検出された。
特命を受けた秋元誠一郎は1人福岡へ飛び、朝野に昇圧剤を飲ませた人物の捜査を行う。
感想
「院内刑事」という言葉を聞いて、勝手に皇宮警察のようなものなのかな?と思っていましたが、実際には病院内に置かれた相談や苦情を処理する警察上がりの人物のことでした。
医療従事者や医療機関に対して理不尽な言動を行う、モンスターペイシェントに対応するため、警察OBを雇う病院が増えているのだとか。
そんな病院内での暴力団対策や、パワハラ、セクハラ対策などを、福岡での捜査と並行して描きながら、ふとしたところで2つが繋がるといった、いかにも濱嘉之さんらしい流れになっています。
福岡での捜査については、証拠を挙げるのがさぞかし難しいんだろうなと思っていたのですが、案外すんなりと。
あそこで時間を使ってしまうと間延びしてしまうので、仕方なかったのかな。
でも、どうやって追いつめるのかを、もう少し見てみたかった気もします。
ちなみに、濱嘉之さんの作品によく出てくる、関西を拠点にした広域暴力団「岡広組」。
中国地方の瀬戸内側の県を順番に挙げていくと、岡山、広島、…
なるほどね。と思ってしまいました。
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