濱嘉之さんの『オメガ 対中工作』を読みました。
あらすじ
警察庁諜報課の榊冴子は、ヘリコプターや戦車から銃まで、中国がロシア製をコピーして製造した武器が、パキスタンを経由してアフリカへ流れていることに着目した。
一方、岡林が立ち上げた中国での真珠養殖事業が軌道に乗り始め、利益を生み始めていた。
感想
「警察庁諜報課・榊冴子シリーズ」の2作目です。
と言っても、2014年にこの2作目が刊行されてから、続編は出ていないのですが…
濱嘉之さんといえば、警察小説というイメージですが、その中であえて挑戦した諜報もの。
警察を舞台にした作品では、圧倒的なリアル感が見物でしたが、諜報ものとなると、一般人にはその実態がわからないため、リアルなのかどうかが判断つかなくなってしまうという欠点が…
また、スパイ小説というよりは、政治経済の解説分析がメインになった、いつもと同じようなパターンの作品という印象を受けてしまいます。
榊冴子がアフリカの今後を訪れたとき、村が政府軍によって、略奪を目的とした襲撃に遭うという事態から話がはじまり、少なからず心を痛めたと思うのですが、アフリカへの武器供給経路を断てたのかと考えると、ちょっとクエスチョンマーク。
単なる問題提起になってしまっている感が否めません。
諜報というスケールの大きな話しを持ちだしたものの、世界の情勢が大きく変わるわけでもなく、竜頭蛇尾になってしまったのかなぁと感じてしまいました。
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