石川智健さんの『もみ消しはスピーディーに』を読みました。
あらすじ
警察組織を監視する立場にある監察官が不祥事を起こしたことをきっかけに、警察を外から監視する役割として、リスクヘッジ社がK庁と契約を結んだ。
しかし、K庁とリスクヘッジ社の契約の中には、警察官による大きな不祥事をもみ消すという案件が含まれていた。
警察官の不祥事を発覚前にもみ消していくリスクヘッジ社と、リスクヘッジ社に疑いの目を向ける監察官の和久井。
警察の不祥事を巡って対立する2者の行く末は…
感想
前回、『断罪 悪は夏の底に』を読んで、なかなか面白いじゃないと思った石川智健さんの作品です。
不祥事のもみ消し。
これって、あとでバレると1番ヤバいやつじゃないってことで、あらすじを読んで即手に取ることを決めた作品です。
ただ、実際に読んでみると、もみ消しといっても、不祥事が公表される前に〈機密保持同意書〉にサインさせ、依願退職させるといったもの。
もっと、ぺんぺん草も生えないくらいに不祥事の証拠を隠滅していくのかと思っていただけに、ちょっと拍子抜けでした。
どうやってもみ消していくのかってところを読みたかったんだけど…
そんなところに気づいたのか、最後はリスクヘッジ社と監察官の和久井の対立に傾向していきます。
でも、やっぱり読みたいところはそこじゃないんだよなぁって感じ。
本の内容は面白いと思うのですが、「もみ消し」というところを前面に押し出しているだけに、ちょっと残念となっている感がありました。
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