【読書】小路幸也『三兄弟の僕らは』

小路幸也 ├ 小路幸也

小路幸也さんの『三兄弟の僕らは』を読みました。

あらすじ

稲野朗、昭、幸の3兄弟は、突然の交通事故によって両親を失った。
札幌から、ほとんど面識のない祖母・坂橋栄枝が駆けつけてきてくれて、4人での生活がはじまるが、ご近所さんとの小さなトラブルや、両親が遺した秘密と対峙する必要に迫られる。

感想

大学生、高校生、中学生の3兄弟ということで、まぁまぁ大人じゃないと思うのですが、現実の大人の世界とはやはり乖離があります。
両親の葬儀の手配にはじまり、遺産の整理、ご近所付き合いなどなど、栄枝ばあちゃんに手伝ってもらいながら1つ1つ片づけていきます。

この3人には、まだ負荷が高いことと思えるのですが、1つ乗り越えるごとに、3人の成長が見える気がします。
何が変わったかと聞かれると答えられないのですが、そのあたりを滲み出してくる小路幸也さんの文章が素晴らしいなぁと。

また、この”3人”というところが良いのでしょうね。
「3人寄れば文殊の知恵」とも言いますし。
3人が頭を寄せ合って、物事を決めていく様が良いなぁと思いました。

また、栄枝ばあちゃんが良い味を出しています。
小路幸也さんの作品って、おばあちゃんがカギを握っていることが多いイメージ。
最前面には出てこないんだけど、後ろでうまく誘導しているって感じ。

最後には、とんでもない秘密が出てきたなぁと思ったのですが、それも丸く収まるところが、この作者さんが好きな理由かも知れません。

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