三ツ矢瞭司は6年前に亡くなりました――
特別推薦生として数学科に入学した瞭司、熊沢、佐那の3人は共同研究で画期的な成果を上げた。
しかし、3人の友情は崩れていく。
数学者として名前が知られるようになってきた熊沢は、遺族から託された瞭司が遺したノートに、未解決問題の証明らしき記述があるのを発見する。
岩井圭也さんの『永遠についての証明』を読みました。
あらすじ
協和大学の数学科に特別推薦生として入学した三ツ矢瞭司、熊沢勇一、斉藤佐那の3人は、共同研究で画期的な成果を上げた。
博士課程修了後、大学に残った瞭司は未解決問題の証明に取り組むが、論文にまとめる前に亡くなってしまう。
瞭司が遺したノートを受け取った熊沢は、瞭司の死から6年後、瞭司のノートの解析の手がかりを掴む。
感想
岩井圭也さんのデビュー作で、第9回野性時代フロンティア文学賞受賞作です。
私にとっては、『完全なる白銀』に次いで2冊目の岩井圭也さんの作品です。
山岳小説の『完全なる白銀』とは扱っている分野がまったく違う作品ですが、亡くなった人の功績を証明するといった点が共通でしょうか。
数学の未解決問題を証明するという、理系の作品になっているので、人を選ぶかもしれませんが、私にとっては大好物。
数学が得意というわけではありませんが、元理系の研究者としては、非常にそそられるものがありました。
作品の中で扱われているコラッツ予想は、いまだに証明されていない未解決問題だそうです。
私も作品を読みながら少し考えてみて、ひょっとして…と思ったのですが、そう簡単には証明できませんよね。
ただ、このままでは気持ちが悪いので、少し手を動かしてみようかなと思っています。
上に書いたとおり、人を選ぶ作品かも知れませんが、私は良い作品だと思いました。
年末年始に少し頭を働かせてみるのはいかがでしょう？（そんな変人は私くらい？）
機会がありましたら、ぜひ。
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